アイツと旅行7 ページ7
アスカ先輩達と別れ
迎えたお昼時
高原にある
自然食材をふんだんに使った料理を売りにした
雰囲気のいいカフェに入った
「わぁ、すごぉい(笑)」
シーリングファンが回る
ログハウスの高い吹き抜けにある天窓からは
燦々と明るい日差しが降り注ぎ
どこまでも広がる緑を切り取った大きな窓は
すごく開放的
「こちらへどうぞ(笑)」
いるだけで楽しくなるような
そんな店内で案内されたのは
丸太造りの2人掛けのベンチシートが向かい合う
4人掛けのテーブル
「ご注文が決まりましたらお呼び下さい(笑)」
席につき、店員さんがいなくなるや否や
サッ！と素早くアイツが私の隣へ移動してきた
「ふふっ、来ちゃった(笑)」
・・・って
いやいや、おかしいでしょ？
二人しかいないのにこの座り方は！
目の前誰もいないけど？
しかもよっぽど寂しかったらしく
「ねぇAさん...
もっとこっちに来て？」
グイッと私の腰を自分の方へ引き寄せ
「ふふっ、Aさん(笑)」
ツヤツヤのほっぺを輝かせて
私に甘えまくるアイツ
旅の恥はかき捨て
恥ずかしいけど
まぁ、いっか(笑)
しかし、さすがにお昼時
いい感じに混んできた
すると案の定、こんな座り方をしている私達は
すぐに店員さんに目をつけられ
「あのぉ、すみません。
相席よろしいですか？」
「えっ...」
相席を頼まれてしまった
申し訳なさそうに私達を見つめ
返事を待つ店員さん
みるみるうちにアイツの身体が
シュン...と小さくなるのがわかった
でもこの状況、仕方ないよね
「いいですよ？(笑)」
ほどなくして私達の前に現れたのは
これまた若い女の子二人組み
先程の質問攻めが脳裏をよぎったのか
「失礼しまーす(笑)」
元気よく腰を下ろした彼女達に
ビクッ！！と揺れるアイツの身体
だけどテンション高い乙女の二人旅
キャッキャッ言いながらメニューを覗き込み
アイツの存在には全く気付かない様子
にも拘わらず、さっきの事が
よっぽどトラウマになったのか
目の前に座る乙女二人に気付かれないよう
「僕は...これをお願いします」
ボソボソとメニューを注文し
ひよこのような口で
俯きがちにモソモソとご飯を食べ
こんなに開放的な店内で
アイツは終始小さくなっていた
「ねぇチャンミン...大丈夫？」
「はぃ...」
可哀想にお店を出る頃には
ズルッ...
おニューのリュックが
やっぱり虚しく肩からずり落ちた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 654人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ami
| 作成日時：2014年9月25日 15時
