アイツと旅行4 ページ4
「・・・で、こっちがケイで」
「よろしくね、チャンミン君(笑)」
「...よろしくお願いします」
「こっちがマミ」
「よろしくね、チャンミン(笑)」
「...よろしくお願いします」
アスカ先輩によって紹介された
同じ大学の友人、ケイさんとマミさん
さっきから二人にとって
私が若干透明人間になっているのは
気のせいだろうか...
「ねぇ、せっかくだから一緒していい？」
「おっ！ケイいいこと言う！」
えっ？
「降りる駅も一緒だし(笑)」
二人の提案にビックリしてアイツを見ると
眉毛を下げて
微かに首を横に振っていた
私がお世話になった先輩の友達
いくらアイツでも
流石にハッキリ態度には出せないらしい
もちろん、それは私も同じ
すると先程同様
アスカ先輩が二人をたしなめてくれた
「なに言ってるの？
二人っきりの旅行、邪魔しちゃダメでしょ？」
「えー、いいじゃん。大勢の方が楽しいよ」
「ねー(笑)」
それでも諦めがつかないのか
粘るマミさんとケイさん
ここまで言われたら
最早断る訳にもいかず
「じゃあ、ご一緒・・・」
「ホントに！やったぁ(笑)」
「帰ったら皆に自慢しちゃお(笑)」
私の言葉を最後まで聞かずはしゃぐ二人
・・・やっぱり、透明人
そしてそんな二人とは対照的に
ず〜ん という言葉がお似合いすぎるくらい
激しく落ち込んでしまったアイツ
そんな気の毒なアイツに
更に追い討ちを掛けるような出来事が
それは...
「じゃあ、私ここにすぅわろ！」
「えっ...」
「あっ、ズルーイ！マミ」
「えっ...！？」
慌てるアイツを他所に、アイツの前の席に
競うようにケイさんとマミさんが座った為
アスカ先輩が一人あぶれ
結果
「ごめんね、A...」
私がアスカ先輩と一緒に
通路を挟んだ隣のボックス席に座った、という事
通路の向こうから眉毛を下げ
潤んだすがるような瞳で私を見つめるアイツ
うっ...
そんな目で見られても
私にはどうする事もできない
・・・ごめん
非力な自分を謝った(大げさ)
まぁ、私は久しぶりにアスカ先輩と話せるから
いいんだけど(そして薄情なヤツ)
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作者名：ami
| 作成日時：2014年9月25日 15時
