ここにいる理由 ページ23
「こ、こんばんは...」
突然目の前に現れた彼女に
動揺を隠せない
どうしてここにいるの？
しかも、こんな時間に...
時刻はもうすぐ夕飯時
「どうぞ、入って下さい」
アイツにそう言われ
「お邪魔します...」
躊躇いがちにリビングへ進んだ
すると...
「...あっ、そうそう！途中だったんだ」
そう言った富永さんが
パタパタッとキッチンへ入って行った
「えっ...」
どうして彼女が？
これは一体、どういう事...？
わけがわからず
リビングの入り口で佇む私に
「Aさん。
彼女は新しく来たお手伝いさんなんです(笑)」
アイツがそう言った
お手伝いさん？
「えっ、榊さんは？」
「それが榊さん、ぎっくり腰になっちゃってしばらく安静にしていなきゃいけないらしくて...」
「そうなんだ...大丈夫なの？」
「はい...。それで榊さんの代わりに臨時でお手伝いしてくれるのが富永さんなんです」
「そうだったんだ...」
「はい、よろしくお願いします(笑)」
支度をしながら
可愛い笑顔をこちらに向ける富永さん
「こちらこそ...
よろしくお願いします(笑)」
理由を聞いて
肩の力が、すうっと抜けていくのがわかった
なんだ、そうだったんだ
よかった...(笑)
「でもホントびっくりしたんですよ？
この間ぶつかっちゃった人だぁって(笑)」
「僕もですよ(笑)」
だけど、すぐに再び不安が過った
なぜって...
「まさか、また会うなんて思わなかったです。
ねっ？Aさん(笑)」
明らかにおかしかった
あの日のアイツの態度を思い出したから
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作者名：ami
| 作成日時：2014年9月25日 15時
