アイツと旅行3 ページ3
私が高一の頃
ひょんな事から(説明すると長くなるから省かせて？)
仲良くなった二つ年上のアスカ先輩
在学中はまだまだ初々しかった私を
何かと可愛がってくれた
だけど卒業後は
先輩が地方の大学へ進学したせいもあって
会うのは今日が初めて
「どうしてここにいるの！」
「それを言うなら先輩も！」
あの頃と変わらず美人な先輩
「私は友達と旅行で」
再会できて嬉しい
「私もです(笑)
あっ、私は彼氏と」
「彼氏と？Aが？」
「はい、彼氏のチャンミンです(笑)」
私に紹介されたアイツ
先輩にペコッと小さく会釈をした
「こちらはアスカ先輩。私達より二つ年上で
高一の頃仲良くして貰ってたんだ」
「はじめまして(笑)」
「はじめまして...」
「てゆーか、先輩。チャンミンも私達と同じ高校だったんですよ？」
「えっ？そうなの！てゆーか、A。
さっきから気になってたんだけど、彼...モデルのチャンミンよね？同じ高校だったの！？」
「はい」
アイツが同じ高校だった事に
とても驚いてる様子の先輩
無理もない
先輩がいた頃、アイツはまだ勉三だったから
そして一方のアイツは
突然現れた先輩にキョトンと不思議顔
そこへ私達の後ろから
先輩を呼ぶ声がした
「アス？何やってるの？」
「あんまり遅いから様子を見に来たんだけど...」
言いながら私達の側までやって来たその声の主達
「あっ、ちょっと偶然高校の後輩に会っ・・・」
「えーっ！！
もしかしてモデルのシム・チャンミン！？」
「えっ？ホントに！？」
先輩が言い終わらない内に
興奮気味に後ろから身を乗り出した
「キャー！ホントだ！
てか、どうしてここにいるの！」
「てゆーか、マジカッコいいんだけど！」
今人気急上昇中のモデルを目の前にして
ここが電車内だという事を忘れ
騒ぎ出した先輩の友人らしき女性達
「なになに、アス！
彼が偶然会った後輩なの！？」
「紹介してよ！紹介！！」
いや、わかるけどね
その気持ち
わかるんだけど...
鼻息荒く先輩に迫る様子には
少しばかり恐怖を感じる(失礼なヤツ)
それはアイツも同じなのか
握られた手に、キュッと力が籠った
見ると、少しだけ不安そうな瞳
まるで怯えた仔犬のよう
可愛い...
・・・じゃなくて
するとそんなアイツの様子を
知ってか知らずか
「ちょっと二人とも！顔が怖いから(笑)」
先輩が冗談混じりに
彼女達をたしなめてくれた
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作者名：ami
| 作成日時：2014年9月25日 15時
