アイツと旅行17 ページ17
「ねぇ、チャンミン...
いい加減機嫌直してよ」
「・・・・」
やっぱりダメか...
あれから
すっかり落ち込んでしまった様子のアイツは
私と口をきいてくれなくなった
一緒に入ろうと言っていたお風呂だって
一人でどんどん入っちゃうし
少しだけ唇を尖らせたアイツの拗ね顔
嫌いじゃないけど
はぁ...
せっかく初めての旅行なのにな
あぁ...
できる事なら朝からやり直したい
「ねぇ、チャンミン...」
「・・・・」
ふて寝してるアイツの背中
やっぱり返事はない
仕方がないから私もお風呂に入る事にした
...チャポン
綺麗な月が浮かぶ星空を見ながら入る露天風呂
数時間前、ここで何だかんだ言いつつ
アイツと二人だけの時間を過ごしていたのが
まるで嘘のよう
「はぁ...上がるか」
もしかしたら機嫌が直っているかもと
僅かな期待を胸に部屋に入ると
ダメか...
やっぱりアイツは自分の布団の上
こちらに背を向けて横になっていた
はぁ...
今夜はもう諦めよ
明日になれば直ってるかもしれないし
「おやすみ...チャンミン」
アイツの背中に小さくそう告げて
私も布団に入った
ピッタリくっついた布団で
アイツの背中を見ながら寝るのはさすがに嫌なので
私もアイツに背を向けて横になった
しばらくして
うつらうつらし始めた時
ふわっ...
髪を掻き上げる感触と共に
うなじが露になるのがわかった
えっ...
チャンミン？
「ここ...」
うなじを微かに指でなぞられる感触
「白鳥さんも見てたんだ...」
フッ...
今度はそこに
ふぅっと息を吹き掛けられた
明らかに白鳥さんに嫉妬しているとわかる
アイツの行動に
ドキドキとうるさい心臓
だって嫉妬している時のアイツは
これ以上ないくらい男を剥き出しにしてくるから
何をされるかわからない緊張で固まる私のうなじを
ちゅっ...
アイツの唇が静かに這い始めた
左手で髪を掻き上げ
私のお腹に回した右手は
浴衣の帯を、ゆっくりほどいていく
「ちょっ、ちょっと待って...チャンミン」
アイツの唇にビクビクと体を震わせながらも
何とかアイツの右手を止めようとした
「ダメ...待てない」
私のうなじに触れたままの唇がそう言った
「...ッ！」
その動きに
やっぱり勝手に反応してしまう体に
こんなのやだ...
泣きそうになった時
「こんな事ができるのは僕だけだって
教えてよ...」
今にも泣きそうなアイツの声がした
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作者名：ami
| 作成日時：2014年9月25日 15時
