アイツと旅行13 ページ13
「「「カンパーイ！！」」」
結局、既に準備が整っている夕食を
今更断ることはできず
アスカ先輩達と一緒に食べる事になった
私の仕業だと知ったアイツは
部屋を出る際、耳元で
「終わったら覚えていて下さいね...」
そう低い声で囁いた
アイツの...低い声
男らしい、アイツの...
「いただきまぁ〜す(笑)」
低い、声
「・・・・」
「う〜ん、どれから食べようかな！」
果たして、本当に隣に座る彼が
発したものなのだろうか
「・・・・」
食いしん坊なお隣の
あんなに落ち込んでいたのに
流石にこれだけのご馳走を目の前にすると
恐怖より(失礼なヤツ)食欲の方が勝るのか
「う〜ん、おいしい！(笑)」
もぐもぐとハムスターになりながら
幸せそうな顔でご馳走を頬張っている
「・・・・」
「ん？どうしたのA、食べないの？」
目の前に座るアスカ先輩が言った
「いや、たっ、食べます...！(笑)」
まさか自分の彼氏を、お友達二人のように
変わり者だと思ってたなんて言えない
慌てて美味しそうなお刺身に手を伸ばした
「ところで、二人は絶景の露天風呂入ったの？」
・・・ギクリ
「もちろん入ったよね？
それがこの旅館の売りだし」
いやいやマミさん
ここで入ってないって言ったら
浴衣姿の私達
どこのお風呂に入ったかなんて
すぐにバレてしまう
恋人と二人っきりの旅行
わかりきってる事とは言え
あえてそこは隠しておきたい(乙女心)
それなのに...
「入ってませんよ？」
お隣に座るこの
あろうことか
しれっとそんな事を口にした
「へぇ〜、入ってないの？」
「ふ〜ん...」
途端にニヤニヤし出す二人
ほら！もうっ、だからイヤだったのに！
てゆーかこの二人
ノリが酔っぱらったおじさんと同じ
・・・いや
ホントに酔っぱらっているのかも
だってよく見ると
早くも二人ともほっぺが真っ赤っか
これはマズイんじゃ...
そう気付いたけど悲しいかな
時すでに遅し
「てことは、部屋のお風呂に？(ニヤニヤ)」
「確か露天風呂付の部屋だったよね？(ニヤニヤ)」
電車の中同様、ニヤニヤと笑いながら
低俗な質問を(だから失礼なヤツ)
私達に浴びせ始めた
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作者名：ami
| 作成日時：2014年9月25日 15時
