純さん ページ6
「もしもし？」
彼女からの電話に
嬉しそうに電話に出た田中
「えっ？ここに？...わかった。
ちょっと聞いてみるよ」
そう言って一旦電話を中断した
「ごめん、皆。俺の彼女がちょっと顔を出したいって言ってるんだけど、いい？」
「いいよね？」
「いいよ、いいよ。おいで〜」
「悪い！」
皆の返事を聞いて
田中は申し訳なさそうに電話を切った
「よかったね(笑)」
「なんだか急で...悪いな」
私の言葉に、照れたように謝った田中は
やっぱり幸せそうで
そんな田中がちょっとだけ羨ましかった
「じゃあ、ちょっと迎えに行ってくるわ」
しばらくして
そう言って出ていった田中と共に
噂の彼女がやって来た
「皆さん、はじめまして！(笑)
「はじめまして〜」
「うわ〜、美人！」
「なんだよ田中。
こんなキレイな人と付き合ってたのかよ」
皆の言う通り
田中の彼女は美人で
「うわ〜、楽しそう！
私、こういう集まりだ〜い好き(笑)」
底抜けに明るい感じの人だった
おまけに年上なのに親しみやすくて
すぐにその場に溶け込んだ
「やだ、あやちゃん！
そんな事したら可愛い顔が台無しぃ〜(笑)」
「え〜、そうですか〜？(笑)」
思った事をはっきり言うのに
全然イヤな感じがしなくて
田中がついつい甘やかしてしまうのも
わかる気がした
すっかり同期の輪の中に溶け込んだ純さん
「じゃあ、そろそろ帰ろうかな」
「今なら終電間に合うね」
同期の皆が重い腰を上げ始めた頃
「や〜、楽しい！
ねぇねぇあやちゃん、今夜私も泊まっていってもいい？」
そんな事を口にした
「純、そんな急に無理だよ。
それにお前、明日仕事だろ？俺と一緒に帰るぞ」
これには流石に無理だと思ったのか
田中がすかさずそう言った
でも、よっぽど意気投合したのか
純さんの申し入れをあやはアッサリ受け入れた
「いいよ、別に。
なんなら田中も一緒に泊まっていけば？」
「は？本気で！？」
まさかの展開に驚く田中の隣で
「ホントにぃ〜？
嬉しい〜！ありがとうあやちゃん！(笑)」
あやに抱きついて全身で喜びを表す彼女
こんなところも、自由人すぎる純さんを
憎めない理由のひとつなのかも
「なんだか...悪いな」
「いいよ、もう一部屋あるし。
今夜はみんなで雑魚寝しよ(笑)」
こうして急遽、田中と彼女の純さんも
あやの家に泊まる事になった
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作者名：ami
| 作成日時：2014年3月21日 0時
