忘れていた物 ページ48
「アレ？佐々木さんは？」
にこにこと私の側までやって来たアイツは
すぐにみながいないことに気付いた
「あぁ、みななら急な残業で来れなくなっちゃって...あっ、座れば？」
「そうなんですか？実は僕もなんですよ」
言いながら私の前に腰を下ろすアイツ
「チャンミンも？」
「そうなんです。さっき、連絡があって...今日の活動は中止になったんです」
「そっか...」
アイツといい、宮本さんといい
それに私も
まさにドタキャン祭
「...とゆーことはぁ」
「ん？」
テーブルの向こうから
アイツがグイッと私の方へ身を乗り出した
「二人っきりですね...(笑)」
目の前で嬉しそうに囁く
かわいいアイツ
「そうだね(笑)」
一時はどうなる事かと思ったけど
「ふふっ(笑)」
ちゅっ...
「可愛い」
えっ...
「料理はもうたのみました？」
「あ、うん適当に...」
・・・じゃなくて
「な、なんでキスするの？」
こんな所で
恥ずかしいじゃん
「可愛かったから(笑)」
そっか、可愛かったからか...
・・・じゃなくて
「はぁ...」
「それよりAさん
僕、お腹が空きました。まだですかね」
「そろそろ来ると思うけど...」
チラッ...と視線を厨房の方へ向ける
すると例のイケメンスタッフが
料理を片手にコチラに向かってくるのが見えた
やっぱり、来た来た(笑)
「お待たせ致しました。
彩り野菜の豆腐サラダでございます(笑)」
ふんわりした手作り豆腐がのった
色鮮やかなサラダに
「わぁ...」
キラキラ光るアイツの瞳
ホント子供みたい
可愛い(笑)
「それから先程のお写真ですが」
ん？お写真？
イケメンスタッフの制服のポケットから
飛び出したのは
紛れもなく先程撮った
私と宮本さんのツーショト写真
ヤバイ！
すっかり忘れてたーっ！！
「いかがですか？」
止める間もなく
テーブルの端に
スッ...と置かれた写真に
「・・・？(笑)」
アイツはキラキラと輝く瞳を向けた
パチパチと瞬きをしながら
「・・・？(笑)」
数秒写真を見つめていたと思ったら
「んっ？」
急に眉間にシワを寄せ
グッ！と写真に顔を近付けた
何も言わずただひたすら
じぃ〜っ...と食い入るように
写真を見つめるアイツ
・・・ヤバイ
「お客様...？」
「...Aさん」
俯くアイツの
地鳴りのような低い声
「何、ですか？コレは...」
・・・ヤバすぎる
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作者名：ami
| 作成日時：2014年3月21日 0時
