怖くて愛しい ページ35
いつもなら、唇が重なった瞬間
蕩けるようなキスが始まるのに
今日はなぜか
重なったまま動かないアイツの唇
どうして...？
アイツの態度に再び戸惑いながらも
私の胸は痛い程高鳴っていて
まるで想いが通じた日にした
公園でのキスのよう
チャンミン...
息の仕方もわからない程緊張して
苦しくなり唇を離すと
「もっと...」
掠れた声で囁いたアイツが
自ら唇を重ねてきた
すると今度は、まるで味わうかのように
ゆっくり唇を動かすアイツ
蕩けるような感触の唇と熱い舌
私の頭を優しく包む右手は大きくて
それから...
「んっ...」
キャミソールの下に忍び込み
私の背中を愛しそうに撫でる熱い左手
私の体に触れるアイツのすべてに
次第に頭の中がアイツでいっぱいになっていく
「ねぇ、目開けて...？」
微かに唇を離したキスの合間に
アイツが囁いた
それに言われるまま目を開けると
再び唇を重ねて
トロンとした瞳で私を見つめる
アイツの顔が見えた
チャンミン...
こんな風に
目を開けたままキスをするのは初めてで
なんだか妙に気持ちが昂る
込み上げる想いと共に
徐々に熱くなる体に耐えられず
ギュッと目を閉じた
「ねぇA...」
「...んっ」
「僕を見て...」
その瞬間零れる吐息と共に聞こえた
色気を孕んだアイツの声
「ずっと...ン
そうだよ、僕だけ見てて...」
重なるキスの合間に
何度も繰り返される
まるで呪文のようなアイツの声
そこに狂おしい程の嫉妬を感じて
そんなアイツが
色んな
「もっと...」
「ンッ...」
ちょっとだけ怖くて
「はぁ、僕のA...」
同時にとても愛おしかった
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作者名：ami
| 作成日時：2014年3月21日 0時
