肝心な事 ページ46
「う〜ん、美味しい！(笑)」
目の前で幸せそうな顔して
シーフードリゾットを頬張る可愛いハムスター
結婚かぁ...
結婚したら毎日この顔を見れるんだよね
「ふふっ(笑)」
「あっ、そうだ。
今度の金曜日は早番でしたよね」
「うん」
「じゃあ、仕事が終わったら会えますか」
「今度の金曜日は...ごめん」
「え？」
「同期の家に泊まりに行くんだ」
「え...」
フォークを持つアイツの手が
ピタッ！と止まった
・・・ヤバイ！
これは先に言わないと
「もちろん女の子だよ」
「そんなの...」
そんなの？
「当然です」
「・・・・」
すました顔で
再びシーフードリゾットを頬張るアイツ
何だか負けた気がするのは
気のせい...？
「そう言えばAさん。
肝心な事をまだ聞いてませんでした」
「え？」
「どうしてあんな態度とってたんですか？」
そうだった
肝心な事がまだ残っていた
はぁ...
言うしかないのかな
「...ごめん
ちょっとトイレ行ってきていい？」
「あ、はい...」
とりあえず
少しだけ時間を貰う事にした
.
「どうするか...」
個室に入り考える
でも言いようによっては
別に大丈夫じゃない？
例えば
「私の知らないチャンミンが増えていくようで怖かった...とか」
もしくは
「大学の友達のように一緒にいれない自分が悔しかった...とか？」
うん！そうだ！
「そうしよ！」
考えがまとまりトイレを出ると
明らかに不審な目を向ける女子高生二人
"ほら、やっぱ一人じゃん...ヒソヒソ"
"えー、じゃあ今の全部独り言？ヤバくない？ヒソヒソ..."
...なに？
ジロジロと
爪先から頭のてっぺんまで見られながら
トイレを出た
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作者名：ami
| 作成日時：2014年2月1日 23時
