胸がいっぱいで ページ45
「ふふっ、何食べよっかな(笑)
ここのお店のオススメは何かな？」
「・・・・」
ホントに同一人物なんだろうか
ほんの数十分前まで
「A...大好き」
私を蕩けさせるようなキスをしていた人物と
「コレ美味しそうだな。
あっ、でもコッチも捨てがたいなぁ(笑)」
私の目の前
ルンルンでメニューを広げる人物が
同一人物だとは到底思えない
「Aさん、何ボーッとしてるんですか？」
「・・・・」
「Aさんっ！」
ハッ！！
「どうしたんですか？」
「ううん、何でもないよ？」
自分の彼氏が変わり者なんじゃないかって
疑問を感じてたなんて
口が裂けても言えない
「チャンミンはもう決まった？」
「はい」
「そっか、お腹空いてるよね。
ごめんね、すぐ決めるから」
そう言ってメニューを覗き込むと
「Aさん」
アイツが再び
さっきまでとは打って代わって
真剣な顔で私を呼んだ
「なに？」
「僕...」
「うん」
「モデルの仕事受ける事にしました」
「え？」
「今日はこの事も報告しようと思って
あそこで待ってたんです」
「そうなんだ...」
いざアイツがモデルになると聞いたら
何だか少しだけ不安になった
だけど
いつだって私が
誰よりもアイツを応援してあげたい
「頑張ってね(笑)」
「・・・・」
それを聞いて無言で私を見つめるアイツ
「どうしたの？」
「Aさん」
「ん？」
「僕、絶対Aさんと結婚しますから」
え...
「その為にモデルの仕事を引き受けるんです」
チャンミン...
「だから...」
だから？
「絶対僕と結婚して下さいね(笑)」
私を見つめる
アイツの優しい眼差し
チャンミン...
「うん...(笑)」
もう私は胸がいっぱいで
涙を堪え
ただ頷く事しかできなかった
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作者名：ami
| 作成日時：2014年2月1日 23時
