キャンパスデート11 ページ25
大きな瞳をウルウルさせて
今にも泣きそうなアイツ
・・・ヤバイ
これは私が泣かしたんだよね(まだ泣いてないけど)
するとやっと笑いが収まったらしい
なんちゃって豊こと真鍋さんが口を開いた
「なんだシム、腹でも痛いのか？
そんなんじゃ食べ歩きサークルの一員としてやっていけないぞ？」
もしかしてこの人...
「あの！あなたも食べ歩きサークルに入ってるんですか？」
「あぁ(笑)」
はぁ...なんて素敵な笑顔
・・・じゃなくて
「じゃあチャンミンの事、よろしくお願いします！」
「「えっ？」」
え？って、なに？二人とも...
私そんなに変な事言った？
「Aさん...」
だって孤独なアイツが心配で
思わず口から出ちゃったんだもん
若干...いやかなり女房気取りの私の言葉に
「やっぱり君、シムの彼女なんじゃん」
そう呟く真鍋さんと
「そうですよ？Aさんは僕の彼女です！」
さっきまでとは打って変わって
ハツラツとした顔で
私を彼女だと紹介するアイツ
何だかよくわからないけど
とりあえずアイツの機嫌が直ったみたいで一安心
さて、私は図書館に戻るとするか
「じゃあ、チャンミン書庫で待ってるね」
すると真鍋さんが声を掛けてきた
「Aちゃん？だっけ」
「はい」
「シムが終わるの待ってるの？」
「はい、そうですけど？」
「じゃあ、俺と一緒に待たない？」
「「えっ？」」
「実はこの後、一時限空いちゃっててさ
図書館で暇でも潰そうかと思ってたんだよね」
そんな...
豊(正しくは真鍋さん)と一時間半も過ごすなんて
もちろん
「はい！喜・・・」
「何言ってるんですかっ！」
「・・・んで」
え...？
「何言ってるんですか？って、なにが？」
「Aさん」
「なに？」
「頭大丈夫ですか？」
・・・はい？
「さっき、駅前に美味しそうなお店があったから、そこで待ってるって言ってたじゃないですか！」
「・・・・」
いやいやいや！
そんな事ひと言も言ってないよね？
てゆーか、帰るなって散々駄々を捏ねたのは
どこの誰だっけ？
「そういう事なんで僕達はこれで」
「...あぁ、わかった」
ちょっとちょっとちょっとぉ〜豊！！
わかってくれなくていいから！
私の心の声も虚しく
ズルズルと私の手を引いて歩くアイツによって
あぁ...
心の恋人
なんちゃって豊の姿が
ついには見えなくなってしまった
サヨナラ...
豊...
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作者名：ami
| 作成日時：2014年2月1日 23時
