当たり前の事 ページ12
「もしも・・・」
「もしもしっ！Aさんっ？」
私の言葉を遮り
なぜか必死な様子のアイツ
「なに？どうしたの？」
「さっきバタバタして言い忘れたんですけど！」
確かに、(しつこい)あなたのせいで
バタバタだったよね
「今度の水曜日！
Aさん、仕事休みですよね！」
「うん」
「じゃあ水曜日
大学に遊びに来てください！」
水曜日...
「いい...あっ！」
「えっ？」
「ダメだ！その日は会社の人と出掛ける約束したんだった！」
たった今した約束を
危うく忘れるところだった
アブナイ、アブナイ・・・
「・・・会社の人、ですか？」
...ん？
アイツの声が、低くなった？
「そうだよ？」
「それって...」
それって？
「男じゃ...ないですよね？」
・・・はい？
「男！？」
「そうです、男です。男と女の男です」
男と女のって...
「...プッ(笑)」
可笑しいんだけど(笑)
「なに笑ってるんですか！」
「だってチャンミンが変な事言うから(笑)」
「どこが変なんですか！」
いやいや変でしょ！
男と女のって、それ以外にあるの？(笑)
「Aさん！これは大切な事ですよ？」
「ふふっ(笑)」
「笑ってないで答えて下さい！」
アイツがあんまり真剣なので
「男のわけないでしょ？
女だよ？可愛い女の子！(笑)」
そう返事をしたのに
「ホントですかぁ？」
笑いすぎたのか、電話の向こうで
明らかに口を尖らせているアイツがいた
はぁ...まったく
「ホントだよ？
チャンミンがいるのに男の人と出掛けるわけないじゃん」
「・・・・」
ん？アレ？
「チャンミン？」
「・・・・」
もしかして...無視？
「ねぇチャンミン、聞いて・・・」
「そうですよね！
僕がいるのに、他の男と出掛けるわけないですよね！」
「う、うん...」
当たり前の事を言われて
何がそんなに嬉しいんだか(ひどいヤツ)
アイツは途端にご機嫌になった
「そうですよね！ふふっ(笑)」
でも...可愛い声(笑)
「じゃあ、Aさん
その次の休みは僕の為に空けといて下さいね！」
「うん」
「Aさん」
「なに？」
「大好き...」
「うん」
「・・・大好きですよ？」
あぁ、そういうことね
「私も大好きだよ」
「ふふ、じゃあおやすみなさい(笑)」
「うん、おやすみチャンミン(笑)」
ふぅ...
時計を見るともう1時近くて
「ヤバイ！」
明日も仕事だった私は
慌ててベッドに潜り込んだ
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作者名：ami
| 作成日時：2014年2月1日 23時
