キャンパスデート2 ページ16
電車を幾つか乗り継いで着いた
アイツの大学の最寄り駅
「この時間なら...」
ちょうどアイツのお昼休みにピッタリ
大学まで続く桜並木の下を
春の風を感じながら歩き
ようやく門が見えるところまでやって来ると
待っていたのか、私に気付くと同時に
こっちへ駆け寄ってくるアイツの姿が見えた
「Aさんっ！」
嬉しそうに私の名前を呼び
脇目も振らず走ってくるアイツの姿は
本当に可愛くて
まるで飼い主を見つけた犬みたい
・・・なんてそんな事は
口が裂けても言えない
「Aさんっ！」
アイツが私の目の前まで来た
「ハァハァ...」
少しだけ息を切らしながら
私の両手をぎゅうっと握り締める
「来てくれて嬉しいですっ！(笑)」
チャンミン...
私が来た事を、こんなにも喜んでくれる人が
この世にアイツ以外誰か他にいるんだろうか
ちょっと大げさだけど
そう考えたら目の前で嬉しそうに笑うアイツが
堪らなく愛しくなった
「チャンミン...」
「ん？」
「待っててくれてありがとね」
想いを伝えるように
アイツの手をキュッと握り返す
するとアイツは更に嬉しそうに笑って
「Aさんのそういうところ大好きです！」
ちゅっ...！
私の頬にキスを落とした
「ちょっ...チャンミン！」
「唇じゃないからいいじゃないですかぁ」
突然の事に驚く私に構わず
アイツはそんな事を言いながら
持っていた鞄に手を掛けた
「あっ、ありがとう...ふぅ〜重かった」
凝った肩をグルグルと回す私の前で
手にした鞄をじっと見つめるアイツ
...ん？
「どうしたの？チャンミン」
「Aさん...コレ」
「ん？」
「僕のお弁当ですか？」
正しくは二人のだけど
「そうだよ？」
次の瞬間
ふわっ...
私をその腕に抱き寄せたアイツは
あろうことか道の真ん中で
さっき「唇じゃないからいいじゃないですかぁ」
そう言っていたにも拘わらず
唇にぶちゅ〜！！とキスをしてきた
「...！！」
ぎゅうっときつく私を抱き締める
アイツの腕の中で
バタバタとムダな抵抗をする私に
アイツは気の済むまでキスをすると
「僕の為にこんなに重たいもの...」
唇を離すなりそう口にして
「ん"〜っ、大好き！」
右目を細め
私の鼻に自分の鼻を
グリグリと重ね合わせた
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作者名：ami
| 作成日時：2014年2月1日 23時
