かわいいアイツ短編集2☆Changmin☆ (ページ30)

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アイツが教えてくれたこと5 ページ30

「あぁ、幸せ...(笑)」

後ろから私を抱き締めた湯船の中で

幸せを噛み締めている様子のアイツ

「そうだ、Aさん」

「なに？」

「大介に言った『父親になる過程を見てないから』ってセリフ、すっごく嬉しかった」

「そう？」

「うん！ありがとうございます(笑)」

「お礼なんて...だってホントの事だもん(笑)
チャンミンは私が妊娠してから、お腹の赤ちゃん...結愛の為にって、父親として色んな事をしてくれたよね」

「そうでしたか？」

「そうだよ？職場の皆に、極力私が重いものを持たないように頼んだり、団体のバゲージイン※で私が担当した分の荷物までヨロヨロしながら運んでくれたり」

「そんな事もありましたね(笑)」

「うん(笑)それから...休みの日にはチャンミンも疲れてるのに家の事をぜーんぶやってくれたり、お腹が苦しくて眠れない私の腰を一晩中撫でてくれたり...」

あの時の一生懸命なアイツを思い出したら

胸がジン...と熱くなった

「チャンミンは...自分のできる事を
結愛の為、そして私の為に一生懸命やってくれたよね」

「Aさん...」

「あの時は、本当にありがとう」

感謝の気持ちを

面と向かって伝えたくて振り返ると

眉毛を八の字にしたアイツは

「...うん(笑)」

なんとも言えない顔をして、笑った

※バゲージイン…お客様の荷物をチェックインの前に前もって部屋に運んでおく事