アイツが教えてくれたこと3 ページ28
私が妊娠に気付いたのは案外早くて
何となく気分がすぐれない日が続いて
もしや...と思いすぐに妊娠検査薬を試した
「ドキドキしますね、Aさん」
「...うん」
アイツと二人同時に結果を見た
「「せーのっ！」」
その結果、判定はなんと陽性
バッ...！
瞬間、無言でアイツと勢いよく顔を見合わせた
「...よ」
よ？
「...よ、陽性ですね」
「そうだね」
「...でも、でもまだ病院に...」
チャンミン...
声が震えてるよ？
「そうだね、次の休みに行ってみるよ」
私も、この時はまだ半信半疑だった
仕事が休みになるのを待って
すぐに産婦人科に行って調べて貰った
仕事だったアイツには
帰ってきたら結果を教える約束をして
一人で産婦人科に向かった
結果は
「おめでとうございます、妊娠5週目です」
「...ありがとうございます」
「シムさん
もうお母さんですよ(笑)」
看護師さんにそう言われたけど
母親になった実感なんて、まるでなかった
どこかふわふわとした気持ちで家に帰り
仕事から息を切らして帰ってきたアイツに
「妊娠してた」
そう報告したら
アイツは目の前でしばらく固まってしまった
「チャンミン...？」
何度目かの呼び掛けに
ようやく我に返ったアイツ
何も言わずぎゅうっと私を抱き締め
震える声で、一言だけ言った
「...嬉しい」
その言葉を聞いて初めて
「うん、私も...」
自分がアイツの赤ちゃんを授かったんだと
「はっきり自覚したんだ」
「ふ〜ん...
何だか固まってるチャンミンが目に浮かぶな」
ジロッ...！
「何か文句あるの？」
相変わらず戦闘モードなアイツ
「別に〜」
「そう言う平岡君はどうだったの？」
「え...？」
「あっ、それ聞きたい！」
アイツも身を乗り出した
「それがね、ふふっ、可笑しいの(笑)」
「なになに！」
「おい、みな！
喋ったらお前だけここに置いてくからな！」
平岡君の必死ぶりが半端ない
ますます気になる
「それが・・・」
「おい、みな！俺は本気だからな！！///」
真っ赤な顔の平岡君
いつもの平岡君じゃないみたい
「「「...プッ！(笑)」」」
三人で声を合わせて笑った
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作者名：ami
| 作成日時：2013年11月15日 8時
