ため息2 ページ9
「お疲れ様でしたっ！」
「おう、お疲れ様」
「シム君お疲れ〜」
忘年会が終わり
僕は挨拶もそこそこに急いで家に帰った
もしかしたら...
もしかしたらAさんがいるかもしれない
僅かな望みを胸に玄関のドアを開けた
ガチャッ！
「ただいまっ！」
シ〜ン...
暗く静まり返った家
「・・・・」
やっぱり帰って来てないか...
暗い廊下を進み
リビングの電気をつける
眩し...
いつもは明るいリビング
目が眩んで、Aさんがいない事を痛感する
「はぁ...」
今日何度目かわからないため息をつき
ふとダイニングテーブルに視線を落とすと
「あっ！」
Aさんの置き手紙だ！
テーブルの上に手紙があるのに気付いた
素早く手に取り目を通す
チャンミンへ
おかえりなさい。今日も一日お疲れ様。
今夜は寒くなるらしいので、ゲストルームに毛布を出しておいたよ。寒かったら使ってね。
明日はお昼過ぎに帰るから、久しぶりにゆっくり休んでね。
Aより
Aさん...
僕が明日休みだから
だから実家に泊まりに行ったの？
僕がゆっくり休めるように...
僕は平気なのに
ゆっくり休めてないのは
慣れない育児を毎日頑張ってる
Aさんの方じゃないの？
「A...」
ポタッ...
誰よりも愛しい人の名前が
涙で滲んでいった
その夜は寂しくて寂しくて
結婚する前は毎日この家に一人だったのに
今は一秒だって耐えられない
「はぁ...
A...結愛...」
せっかくAさんがゆっくり休んでって
言ってくれたのに
「A...」
一人では広すぎるベッド
朝までほとんど眠れなかった
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作者名：ami
| 作成日時：2013年10月10日 13時
