優しい笑顔1 ページ6
「あれ？おかしいなぁ...
確かに買ったはずなんだけど」
さっき買い物をした袋の中をガサゴソと探す
勘違いだったのかな...
「ふぅ...」
やっぱりないみたい
「ねぇ、ゴメンね？
ちょっと買い忘れがあったから、もう一度お店に寄って貰っていい？」
「いいよ。じゃあすぐそこのスーパーでいいかな」
そう言って彼がハンドルを右にきった
着いたのは家からそんなに遠くない距離にある
スーパー
「ゴメンね、すぐ買ってくるから」
私は彼を車に残し一人スーパーへ向かった
実はほんの数日前
一人でこのスーパーに買い物に来た時
昔付き合っていた彼を見かけた
そう...
ちょうどあそこにいる仲の良い家族みたいに
可愛い赤ちゃんを抱っこして
奥さんと手を繋いで楽しそうに買い物をしていた
右目を細めて、愛しそうに
自分の家族を見つめる彼の眼差しを見ていたら
ふと昔の記憶が甦った
あれは確か...初めて彼と結ばれた時の事
彼の胸に頬を埋めて幸せを噛み締めていた私
そんな私の髪を優しく撫でながら彼が言った
「ねぇレイ
レイは結婚したら子供は何人欲しい？」
「え？子供？」
「そう子供(笑)僕はね、2人...。
レイにそっくりな女の子と僕にそっくりな男の子」
「私とチャンミンにそっくりなの？」
「そうだよ？」
「ふふっ(笑)」
「何がおかしいの？」
「だって、それじゃあ兄弟っていうより
恋人同士みたいだなぁって(笑)」
「そっか...そうだよね！
僕とレイは恋人同士だもんね？
そっか...そうだよね、ふふっ(笑)」
そう言って右目を細めて嬉しそうに笑う彼が
大好きだったのに
私は彼を裏切ってしまった
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作者名：ami
| 作成日時：2013年10月10日 13時
