夢2 ページ38
もしかして...
イヤな予感を感じつつ振り返ると
Aさんが町田さんを見つめて
駆け寄って来るのが見えた
「はい！お弁当(笑)」
僕の大好きな笑顔で
町田さんに笑い掛けるAさん
ドクン...ドクン...
心臓がイヤな音を立てた
「あぁ、ありがとう。
Aの作るお弁当を忘れるなんて俺とした事が...」
そう言って町田さんは
あろうことか僕の目の前で
ちゅっ...
「ありがとう」
Aさんのほっぺにキスをした
「もうっ、シムさんがいるのに...///」
それに真っ赤な顔をしたAさんは
照れたように微笑んだ
僕の全身から
サーッと血の気が引いていくのがわかった
いくら夢でも...
いくら夢でもこんなの耐えられない
「あっ、エレベーターきましたよ」
「いってらっしゃい(笑)」
いつもの笑顔で見送るAさん
でも彼女が見ているのは
僕じゃなく、隣にいる町田さん
僕はフラフラとエレベーターに乗り込んだ
ゆっくり降りていくエレベーター
気持ちが悪い
吐きそうだ
そんな僕にお構いなしに
町田さんが話し始めた
「この間、結愛ちゃん見かけたんですけど大きくなりましたね。妻はよく結愛ちゃんを見かけるらしくて、最近よくうちも赤ちゃんが欲しいなんて言ってるんですよ(笑)」
赤ちゃんが...
欲しいだって？
「僕もそろそろかな...
なんて思ってるんですよね(笑)」
それってAさんが町田さんに・・・
クラッ...
もうダメだ
「シムさん大丈夫ですか！
シムさん、しっかりして下さい！」
倒れた僕にそう叫ぶ町田さんの声を聞きながら
僕は意識を手放した
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作者名：ami
| 作成日時：2013年10月10日 13時
