同窓会3 ページ31
宴会場前のホワイエは
もう既にかなりの人で賑わっていた
「A、みな、久しぶりぃ〜(笑)」
受付を済ませると
早速懐かしい友人達に声を掛けられた
「久しぶり〜あやの(笑)
あ、ひとみも〜(笑)」
「久しぶりね、元気だった？」
「元気、元気(笑)」
「Aもみなも変わらないね(笑)」
久々の再会に皆興奮ぎみ
一気にあの頃の記憶が甦る
やっぱり来てよかったかも...(笑)
「ねぇ、あのドアマン何やってるのかな」
その時後ろから
そんな声が聞こえてきた
あのドアマン？
イヤな予感...
彼女達の視線の先をゆっくり辿る
...やっぱり
予想通り、大きな柱の影から
じっとこちらの様子を窺っているアイツがいた
「何であんな所にいるんだろう」
仰る通りでございます
「でもちょっと...
いや、かなり格好よくない？」
確かにドアマン姿は様になってます
「てゆーかあの人どっかで...」
「ねぇもしかして
モデルのチャンミンじゃない？」
そうです
元モデルのシム・チャンミンです
「何であんな所に」
「ね〜」
「ちょっと話し掛けに行かない？」
え...？
「あれ、竹内？」
彼女達の言葉に動揺したのも束の間
突然、誰かに名前を呼ばれた
誰...？
直ぐ様振り返るとそこにいたのは
中1の時同じクラスだった玉木君だった
「久しぶり！」
目が合った瞬間向けられた
爽やかな笑顔に少しだけ戸惑った
なぜって、私が人生で初めて告白されて
フッた相手だったから
「...久しぶり」
「竹内あの頃と変わらないなぁ。
一目でわかったよ」
「玉木君も...」
意外だった
彼が私に声を掛けてきた事が
彼をフッてから
それまですごく親しかったのが嘘のように
全く話し掛けて来なくなり
結局卒業するまで一言も口をきかなかったから
「そろそろ始まりますのでお入り下さい」
そう告げるスタッフの声が聞こえ我に返った
...あ！アイツは？
慌てて振り返ると
肩を落としトボトボと従業員通用口に向かう
アイツの後ろ姿が
あの様子じゃ
絶対玉木君と話してたの見てたよね
駆け寄って話し掛けようか迷っていたら
腰に感じた微かな温もり
え...
「竹内、入ろう？」
玉木君が私の腰に軽く手を添え
エスコートしようとしていた
「そっ...そうだね！」
びっくりして慌てて体を離す
ア、アイツは...？
恐る恐る振り返ると
...ほっ、よかった
既に姿が見えなくなっていた
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作者名：ami
| 作成日時：2013年10月10日 13時
