「 「ごめんね」 」 ページ17
「Aさん
同窓会...行かないですよね？」
リビングで洗濯物を畳んでいる私に
アイツがそう聞いてきた
はぁ...また？
あや達が帰った後
何度このセリフを聞いただろう
試しに「行くよ」って言ったらどうなるんだろう
今日は何だかヤキモキさせられたし
よし！
「やっぱり行こうかな、同窓会」
「えっ...」
「だって久々に会いたい友達もいるし
たまには息抜き・・・」
え？マジで...？
ソファにいるアイツを見て
洗濯物を畳む手が思わず止まった
なぜってアイツが泣きそうになっているから
結愛にミルクをあげながら
大きな瞳をうるうるさせてこっちを見ている
「チャンミ・・・」
「僕には...僕にはAさんしかいないのに...もし...もし同窓会に行ってAさんが誰かと...」
「...誰かと何？」
「恐ろしくて口になんかできませんっ！」
そう言うなりアイツは唇を尖らせて
ショボくれてしまった
はぁ...
私は洗濯物を畳むのをやめて
アイツの隣に座った
「ねぇ、チャンミン
私にもチャンミンしかいないよ、それに」
一生懸命ミルクを飲んでいる結愛に
視線を落とす
「こんなに可愛い結愛だっているんだし
他の誰かとなんて絶対あり得ない」
「Aさん...」
眉毛を下げて私を見つめるアイツ
「ほら、だからそんな顔しない、ね？(笑)」
はぁ...まったく
だけど幸せ
「ふふっ(笑)」
「A...」
囁くように名前を呼ばれて
チャンミン...
目を閉じた瞬間
「ふぇぇっっ...！」
突然、結愛がひなるように泣き出した
「「え...？」」
バッ！！
アイツと二人、慌てて視線を落とすと
口から哺乳瓶が外れて
ミルクを飲めなくなった結愛が
顔を真っ赤にして泣いていた
「ごめんねっ、ごめんね結愛っ...」
何度もそう繰り返しながら
慌てて結愛にミルクをあげるアイツ
「んっく...ひっく...」
再び哺乳瓶をくわえた結愛は
時折しゃっくりをあげながら
一生懸命ミルクを飲み始めた
「「ごめんね」」
あ...
「こんなパパと」
「こんなママで...」
アイツと二人顔を見合わせて
「「...プッ(笑)」」
笑った
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作者名：ami
| 作成日時：2013年10月10日 13時
