課長の笑顔 ページ30
アイツの突然の爆弾発言
当然酔った男性社員達が見逃すはずもなく
あっと言う間にアイツを取り囲んで
「毎晩のようにって、さすが新婚！」
「俺が新婚の時は毎晩はしなかったぞ。
お前体力あるなぁ〜」
「お前と竹内さんがねぇ...フフ」
低俗な話を繰り広げ出した
最悪...
呆然とする私の肩を
ポンポンと叩き、同情の眼差しを向けるあや
「はぁ...」
深いため息をつく私の横で
岡田さんが呟いた
「シムは本当に竹内が好きなんだな...」
岡田さん
わかったらどうぞもう私に構わないで下さい
「いや、でもわかるよ。
竹内は本当に可愛いからな」
は？可愛い？
この期に及んでまだ言うか
「どこが可愛いんですか？」
あや、余計な事を...
「笑顔だよ。子供のように笑う顔が堪らなく可愛いね。シムもそう言ってないか？」
...確かに
私が笑うとアイツは必ずと言っていい程
「可愛い」そう言ってキスをしてくる
意外にも岡田さんから
アイツの気持ちを教わって
嬉しいな...
幸せな気分に浸っていると
「だからその笑顔を
俺だけのものにさせてくれよ」
岡田さんが私の手を再び握ってきた
は？俺だけのもの？
あり得ない
「離して下さい！」
シーンとなる部屋
次の瞬間
誰かが岡田さんの腕を掴んだ
「その手を離して下さい」
アイツだった
グイッ...！
そのまま力強く
岡田さんの腕を引き剥がしたアイツは
皆が注目する中
私の手を優しく握り締めて言った
「Aは僕と結婚してるんです。
彼女の笑顔を独り占めできるのも、彼女に触れていいのも僕だけです。これ以上Aにちょっかい出すなら例え上司でも許しません」
「チャンミン...」
上司の岡田さんにここまで言うのは
かなり覚悟がいる事
落ち着いた口調で話すアイツに
本気の心を感じて
繋いでる手をぎゅうっと握り返した
静まり返る部屋で
最初に口を開いたのは課長だった
「岡田、人のものに手を出したらダメだよ〜。
まぁお前が手を出したところでこの二人は何ともないだろうけどな。お前は知らないだろうけど色々あったんだよ、この二人は...」
そう言って
「な？」
私達に優しく微笑む課長
課長...
その温かい笑顔に
涙が零れた
「うっ...」
堪えきれずに
皆の前でみっともなく流れる私の涙を
微笑みながら
優しく拭ってくれるアイツの目にも
同じように涙が浮かんでた
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作者名：ami
| 作成日時：2013年9月10日 11時
