言葉はいらない(番外編) ページ38
「泣かないでA...
泣かせたくて言った訳じゃない」
僕の腕の中で
次から次へ涙を流すAさん
オレンジ色の教室で
初めてAさんにそう言ってから
いくつもの時間を重ねてきた僕達
その度に積み重なる想いは
「ねぇA...
愛してるだけじゃもう足りないね」
「・・・・」
「もう、足りないよっ...」
僕の想いに応えるように
「A...」
泣きながら、何度も優しく
僕の涙を拭ってくれるAさん
「ここじゃあ狭いから...」
今夜は身体で伝えたいんだ
だって
言葉だけじゃもう伝えきれない
「A...」
「チャンミン...」
僕へと伸びる、可愛い小さな手
ちゅっ...
もっと僕を欲しがって？
僕はAが欲しくて堪らない
「A...」
愛しい名前を呼びながら触れる指先に
「...ッ...ンッ！」
可愛いく反応する身体
ここが気持ちいいの？
もっと教えて？Aの事
「チャンミン...」
僕を見上げる、潤んだ瞳
Aももっと知りたいの？
それなら後でゆっくり教えてあげるから
今は僕に教えて
「はぁっ...ッ...」
時折、我慢できずに僕の口から漏れる吐息に
泣きそうに歪むAさんの顔
ごめんね
苦しいの？
それでももっと...
もっとAを感じさせて？
「チャンミン...」
僕の背中に、ゆっくり回された腕
嬉しい...
Aももっと...
もっと僕を感じて
「...ッ」
今この瞬間
僕の腕の中でもっと幸せになって欲しくて
脚を抱えて、さらに隙間なく身体を重ねた
「A...」
幸せ...？
僕は心から幸せだよ
「...チャンミンッ」
僕の下で揺れながら
シーツを掴む可愛い手
そろそろ限界？
僕もだよ...
その手にそっと指を絡めた
「Aっ...ッ！」
僕は君が
愛しくて堪らない
僕と一緒に
小さく震えるAさんの身体
僕を愛しい...
そう、言っていた
愛してるだけじゃもう足りない
だけど「愛してる」
それ以上の言葉はないから
今夜は伝わるまでずっと
誰も知らない二人だけの時間の中
お互いの身体で伝えよう？
結局その晩僕達は
朝がくるまで、何度も何度も
"愛してる"
そう伝え合った
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作者名：ami
| 作成日時：2013年9月10日 11時
