想いが伝わるキス ページ6
次の日、アイツはいつも通り起きてきた
「おはようございます」
「おはよう、チャンミン」
「今日は二人とも早番だから
一緒に通勤できますね(笑)」
「そうだね」
まるで、昨夜の事などなかったかのよう
だけど、以前記憶をなくす事を
私に隠していたアイツが
前の晩は様子がおかしかったのに
翌日には何事もなかったかのように
振る舞う事があったから
今回はちゃんと
アイツの気持ちに気付いてあげたいと思っていた
今朝はゆっくりで平気だと言っていた幸哉の
朝食を用意して、置き手紙を残し
ガチャ...
寝室でメイクと着替えを済ましドアを開けると
その置き手紙を手に取り
ため息をついているアイツが...
やっぱり、幸哉の事かなり気にしてる
「ねぇチャンミン、今日の夕飯何が食べたい？
チャンミンの好きな物作ってあげるよ」
アイツと一緒に家を出て
エレベーターを待っている間
私はアイツの手に指を絡めながら聞いてみた
「ホントですか！」
途端に明るくなるアイツの顔
「そうですね〜
何がいいかなぁ...(笑)」
私の隣で「う〜ん...」と唸りながら
真剣な顔で考え込むアイツ
何もそんなに悩まなくても
「ふふっ(笑)」
「決まりました！」
「なに？」
ちょうど来たエレベーターに乗り込み
アイツは嬉しそうに言った
「肉じゃがが食べたいです(笑)」
「わかった、肉じゃ・・・」
それにちゃんと返事もできないまま
私の顔を両手で優しく包んだアイツに
そっと唇を塞がれた
降りていくエレベーターの中
何度も角度を変えて繰り返される
蕩けるような優しいキス
アイツの想いが
唇から伝わってくるようだった
一階に着いたのと同時に
ゆっくり唇を離したアイツは
おでこを重ねて
「Aさん...ありがとう」
喜びを噛み締めるようにその目を閉じた
アイツが幸哉を気にしている気持ちが
痛い程伝わってきて
嬉しそうに目を閉じているアイツの顔に
きゅうっと胸が締め付けられた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 498人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ami
| 作成日時：2013年8月7日 12時
