幸せのネイル(番外編2) ページ49
味も雰囲気も大満足の食事を済ませた僕達は
家の近くのショッピンモールに入っている
本屋に立ち寄った
「Aさん、コレはどうですか？」
「どれどれ...あっ いいかも！
分かりやすいしこれにしよう！じゃあちょっと買ってくるね」
Aさんがレジに持っていったのは
僕達の新婚旅行先「ハワイのガイドブック」
実はこのハワイ旅行
商店街のお祭りの射的で僕が当てたもの
一発しかないチャンスで当てるのは
かなり難しかったけど
どうしてもAさんと行きたくて
執念で獲得した
欲しい本があった僕は
「明日のパンを切らしてるから買ってくる」
食料品売り場へ向かったAさんと別れ
本屋に残った
お目当ての本を探していると
「なぁ...
今本買ってった子、彼氏いるのかな？」
レジに入ってきた店員がそう言った
今本を買っていった子って
Aさんだよね
「さぁ...でもあそこにいる男と話してたよ」
僕の方をチラチラ見ている店員
「彼氏なのかな」
明らかにAさんを狙ってるな
てゆーか僕達の左手の薬指を見ればわかるだろ
...ん？
指輪を・・・してない！？
「・・・・」
ハッ...！！
そうだ！
結婚式で使うから預けてあるんだった
「今度来たら、声掛けてみようかな」
何とかして僕が夫だと彼に教えないと
「・・・・」
コレだ...
僕は目についた本をレジへ持っていった
「コレ下さい」
例の店員が目を丸くして
僕の顔と差し出した本を交互に見ている
この様子だと僕達が夫婦だって
気付いたみたいだな
ククク...(笑)
支払いが済んで本屋を出ようとしたら
ちょうどAさんが来た
「チャンミン何買ったの？」
よし！最後のだめ押しだ
僕はわざと彼に聞こえるように言った
「近い内僕達に必ず必要になる物だよ(笑)」
「何それ」
「彼女...結婚してたんだな」
店員の呟きが聞こえてきた
「ふふっ、コレだよ(笑)」
僕がAさんに見せたのはもちろん
赤ちゃんに初めての贈り物
＊＊しあわせ名前辞典＊＊
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作者名：ami
| 作成日時：2013年8月7日 12時
