スイートルーム3 ページ46
繰り返し重ねられる唇で
すっかりイチゴの香りがしなくなったキスの
合間に
「Aさん...ベッド、行こ...」
アイツは少し苦しげに囁いた
「うん...」
ドキドキしながらアイツに手を引かれて
入った寝室
「え...」
なにコレ...
キングザイズの大きなベッド
その真っ白なシーツの上に
バラの花びらで
大きなハート模様が彩られていた
「可愛い！」
思いもよらない可愛らしいサプライズに
すっかり緊張もほぐれた
「すごいね、チャンミン！(笑)」
「そうですね(笑)」
私の隣でアイツが優しく微笑んだ
はぁ...
今日は本当に
「幸せ...」
「僕もです...」
するとアイツがゆっくり体の向きを変え
私と向かい合って立った
そのまま私の両手を取り
「今日は皆に僕達が夫婦になった事を祝福して貰って...Aさんが誰よりも綺麗で、僕は今日本当に誰よりも幸せでした」
そう言って眉毛を下げて
幸せそうに微笑むアイツ
「私もだよ...私も、今日誰よりも幸せだった。世界で一番幸せな花嫁だったよ、ありがとうチャンミン(笑)」
ちゅっ...
微笑んだ私のおでこに
アイツの優しいキスが降ってきた
すると今度は
「...ん？チャンミン、どうしたの？」
アイツが真剣な眼差しで私を見つめてきた
「Aさん...」
「なに？」
「約束...して？」
約束？
「なにを？」
「生まれ変わっても...」
「生まれ変わっても？」
「僕の奥さんになるって...」
「・・・・」
「約束して？Aさん」
生まれ変わっても
私と一緒になりたい
これ以上ないくらい幸せな告白に
「チャンミンっ...！」
今日何度目かわからない涙が
頬を伝った
その涙を、指先でそっと拭いながら
「Aさん、約束して？」
そう繰り返すアイツに
私は頷くのがやっとだった
差し出された小指に
震える私の小指が絡んだ瞬間
細くなったアイツの右目に
キラキラ光る、涙が見えた
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作者名：ami
| 作成日時：2013年8月7日 12時
