スイートルーム1 ページ44
「本日はご結婚おめでとうございます(笑)」
イケメンのベルボーイに爽やかな笑顔で祝福され
案内された扉の向こうに見えたのは
床から天井まである窓一面に広がる
綺麗な夜景
「うゎ〜、すごーい！(笑)」
シックな色合いでまとめられたリビングの
テーブルの上には
「こちらはホテルからのサービスでございます」
シャンパンとフルーツが並んでいた
「ありがとうございます(笑)」
はぁ...
さすがスイートルーム
「それではごゆっくりどうぞ」
イケメンのベルボーイが部屋から出ていき
私は早速窓一面に広がる夜景を眺めた
「はぁ...」
マンションから見る夜景も綺麗だけど
流石はそれを売りにしているホテルだけあって
ホントに
「キレイ...」
しばらく目の前に広がる夜景を眺めていたら
アイツが私の腰に腕を回しながら
耳元で囁いてきた
「Aさん
お風呂準備したんで...入りませんか」
耳に響くアイツのいつもより色っぽい声と
ホテルのスイートルームという
いつもとは違う雰囲気に
「うん...」
声が震えてしまう程ドキドキした
アイツに手を引かれて入ったバスルーム
チャプン...
こうして二人で浸かっても
余る程広いバスタブには
「どうしたの、これ？」
赤やピンク、綺麗なバラの花びらが
乳白色のお湯に鮮やかに浮かんでいた
「これもホテルのサービスみたいですよ」
「そうなんだ...」
キャンドルの明かりだけが照らす
二人だけの空間
優しく薫るバラの香り
そして目の前には
大好きな人...
ヤバイ・・・
幸せすぎて
「Aさん、どうしたんですか？」
今日は朝からずっと幸せだった
もうこれ以上...
俯く私を心配そうに覗き込むアイツの顔
「え？どうしてっ...？」
私の涙に気付いたアイツは
「どうして泣いてるの？」
オロオロと慌てて何度も私の顔を覗き込んだ
そんなアイツが愛しくて
「チャンミン...ッ！」
更に泣いてしまった私を
アイツはそっと自分の胸に抱き寄せると
「泣かないで...
泣かないでAさん」
そう言って私の頭を
何度も何度も、優しく撫でてくれた
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作者名：ami
| 作成日時：2013年8月7日 12時
