結婚式5 ページ40
「あの...そろそろお時間です」
係りの人の申し訳なさそうな声に
やっと止まったアイツのキス
気付いたら周りに誰もいなかった(どんだけだよ、って仰る通りです)
再び戻ったチャペルで集合写真を撮り
ゲストの皆をもてなす為宴会場へ移動した
人数も少ないので特に余興などはしない
会食形式の披露宴
お礼を伝えにひと通りみんなの席を回り
「ふぅ...」
小さく設けられたひな壇に腰を下ろした
朝も早かったし
緊張してほとんど食べれなかったから
お腹がペコペコ
「わぁ〜チャンミン、美味しそうだよ！」
目の前に並ぶ料理に
「いただきまーす！」
早速手をつけようとした時
「はぁ...」
隣から深いため息が聞こえてきた
...なに？
見ると、再びうっとりとした顔で
アイツが私を見つめていた
「どうしてAさんは
そんなに綺麗なんですか...」
は？どうして？
訳のわからない事を言って
「はぁ...」
またひとつため息をつくアイツ
「チャンミン
食べないの？美味しそうだよ？」
こんな料理滅多に食べられないから
食べなきゃソンソン
「いらない。
それよりAさんを見ていたい...」
そう言ってアイツは
頬杖をついて私を見つめ始めた
食いしん坊のアイツが珍しい
「そうなんだ...」
まぁ、いっか
ほっとこ
私はアイツを無視して料理に手を伸ばした
「竹内、お前相変わらず大変そうだな」
その時、平岡君はじめ
高校時代の友達がやって来た
「結婚して少しは落ち着いたかと思ったら、全然ね」
みなが呆れたように言った
「でもそれがチャンミンって感じだよな」
浅井君の言葉に
「ホントホント〜」
「ずーっとこのままでいて欲しいよ」
「だね〜」
笑いながら言いたい放題の皆
やっぱりいいな、この感じ
一気にあの頃に戻ったみたい
「だけどちぃ、ホントに綺麗だな。
チャンミンが見とれるのもわかるよ」
え？そうかな
「ありがとう、ふふっ(笑)」
「俺もったいないことしたかな(笑)」
隼人の言った冗談に、皆の会話に入らず
私をうっとり見つめていたアイツが
ピクッと体を揺らした
グイッ...！
強引に私の肩を抱き寄せ
真面目な顔で
「Aは僕のものだから
誰にもやらないよ」
・・・って
「「「「・・・・」」」」
次の瞬間
「「「「プッ...アーハッハ！！」」」」
皆の笑い声が会場中に響き渡ったのは
言うまでも...ないよね
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作者名：ami
| 作成日時：2013年8月7日 12時
