幸せのネイル ページ33
10月に入り
一週間後に結婚式を控えた日の夜
「A、もうすぐだね結婚式」
更衣室で私服に着替えながら
あやがそう口にした
「うん(笑)」
「確かあそこのホテルのチャペルは海が見えるんだっけ？」
「そうだよ」
会場見学に行った時
あまりの綺麗さに即決したチャペル
屋根も壁も全てが総ガラス張りの
「クリスタルチャペル」
真っ直ぐに伸びたバージンロードの先には
真っ青な海が広がっていて
「「ここにしよう！」」
アイツと二人、迷うことなくそこに決めた
「今のところ天気予報だと晴れるみたいだから、よかったね」
「うん(笑)」
「はぁ〜、私も見たかったなぁ
Aのドレス姿...」
あやには...と言うか職場の人には
アイツとの関係は内緒にしてたから
会社の人は誰も招待していない
「ごめんね...」
「いいよ(笑)
その代わり写真楽しみにしてる」
「うん！」
それから結婚式までは
最後のブライダルエステに行ったり
衣装の確認に行ったり...
一生に一度の綺麗な花嫁になる為の準備をして
過ごした
ネイルサロンからの帰り道
久しぶりにみなに電話をした
「もしもし、みな？
明日こっちに来るんだよね？」
前日の夜
仕事が終わってから平岡君と二人でこっちに来て
平岡君の実家に泊まるみな
「ふふっ、そうだよいよいよ(笑)
うん、じゃあ明日気を付けて来てね。
うん、また明後日...よろしくね...私も楽しみにしてる、じゃあね(笑)」
ふぅ〜
「いよいよかぁ...」
幸せな期待を胸に
控えめなデザインだけど
まるで自分の物とは思えない程
綺麗になった爪を見て
「ふふっ(笑)」
小さく笑った
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作者名：ami
| 作成日時：2013年8月7日 12時
