約束の水族館(番外編) ページ32
以前テレビで観てから
ずっとAさんと行きたいと思っていた水族館
評判通り幻想的な世界が広がる空間
「綺麗...」
Aさんも喜んでくれてるみたい
よかった(笑)
Aさんと手を繋いで
時折二人で顔を寄せて水槽を覗き込み
何度も視線を合わせて笑った
すごく幸せ...
だけど、Aさんの好きな深海コーナーで
楽しそうに僕に説明してくれる
Aさんを見ていたら...
社員旅行で宮本さんから教わったんだよね？
楽しそうなAさんには悪いけど
あの日の二人を思い出して
だんだんイライラしてきた
だから...
「Aさん
ちょっとトイレに行ってきます」
そう言って一旦その場を離れた
せっかくのデート
僕の下らない焼きもちで台無しにしたくなかった
幸哉君との同居生活でも
僕の焼きもちで
Aさんをすごく傷付けてしまったし
「はぁ...」
トイレから戻ると
あれ？Aさんがいない
Aさん...！どこ？
せっかく二人で過ごす時間
ホントは一秒だって離れていたくないんだ
僕は慌ててAさんを探した
・・・いた！
よかった
「Aさ・・・」
直ぐ様駆け寄ろうとした僕の足が止まった
Aさんが
あまりに綺麗だったから
「・・・・」
色とりどりのライトに照らされた
クラゲの水槽に手をつき
少しだけ微笑んだAさんの横顔
赤や紫...鮮やかに漂うクラゲ達と
それを優しい眼差しで眺めるAさん
傍から見たら
なんて事ない、水族館の日常的な光景
だけど僕にとったら
Aさんが綺麗で、愛しくて...
涙が零れそうだった
今日のデートだって、幸哉君が出ていって
少しだけ落ち込んだ僕の心を気遣ってくれた
Aさんの優しさだってわかってる
昨日よりも今日
今日よりは明日
僕の想いはきっと果てしない
僕は一生Aさんに恋をするんだろう
さっき下らない感情を反省したばかりなのに
きっとこの先も
僕は何度も何度も焼きもちを妬くに違いない
だけど
それでも僕は幸せなんだ
「綺麗ですね...」
「あっ、チャンミン(笑)」
Aさんの笑顔を見るだけで
それだけで幸せになれるから...
溢れる想いで壊してしまわないように
そっとAさんを後ろから抱き締めていたのに
「やっぱり...」
ダメだ...
もっとAさんを感じたい
だから...
「お願い...キスさせて？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 498人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ami
| 作成日時：2013年8月7日 12時
