隠さず全部教えて ページ23
「今夜は友達の家に泊まらせて貰うよ」
幸哉が気を遣って家を出ていった後
私はすっかり落ち込んでしまったアイツの手を
引き、向かい合ってソファに腰を下ろした
「ねぇチャンミン...」
知るのが怖いけど、ちゃんと聞かなきゃ
繋いだ両手を
ぎゅっと握り締めた
「城ヶ崎先生と
何があったの？隠さず全部教えて...」
アイツは俯いてた顔を上げて
ゆっくり話し出した
「Aさん、ごめんなさい。
Aさんの言う通り、確かに昨日僕はレイと一緒にいました」
やっぱり一緒にいたんだ...
「腕を組んで歩いていたのも事実です」
事実...
どうしよう、やっぱり聞くのが怖い
「だけど偶然なんです」
え...？
「偶然？」
「はい。昨日仕事が終わって隼人との待ち合わせ場所に向かう途中人とぶつかってしまって、その人が掛けていた眼鏡を壊してしまったんです」
「もしかして、その人が城ヶ崎先生？」
「そうです。レイは裸眼だとかなり目が悪くて...歩くのも大変だから腕につかまって貰って、レイが婚約者と待ち合わせしてるお店まで連れていったんです」
「婚約者？先生、結婚するの？」
「はい。僕も昨日聞いたんだけど来年結婚するらしいです。僕達が結婚したのは知り合いから聞いて知ってたみたいで...おめでとうって言ってくれました」
「そうだったんだ...」
よかった...
アイツは私を裏切るような事はしていなかった
「よかった...」
安心したら思わず涙が零れた
「不安にさせて、ごめんなさい...」
その涙を優しく拭って
アイツは続けた
「それから電話は多分眼鏡の事だと思います。
僕が壊してしまった眼鏡...婚約者の方からの
プレゼントだったんです。でも、2年前に貰った物だから修理できるか確認するって言ってました。僕が壊したのを気にしてたから、修理できるかどうか電話してきたんだと思います」
「そうだったんだ...
そうゆう事なら隠す必要なんてないのにどうして黙ってたの？」
「それは...Aさんにレイの事を忘れた事ないなんて言ってしまったから言いづらくて」
アイツは申し訳なさそうに眉毛を下げた
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作者名：ami
| 作成日時：2013年8月7日 12時
