理由なんてない ページ15
翌日
空は清々しいほどの青空が広がっているのに
私の心はどんより曇り空・・・
どうしてアイツと...？
どうしてアイツも...？
「はぁ〜」
ため息をついて上履きに履き替えていると
「...Aさん、おはようございます」
アイツが沈んだ声で
背中に向かって挨拶してきた
・・・ダッ！！
私は振り返ることが出来ずに走り出した
「Aさんっ！」
私を呼ぶアイツの声が、遠くで聞こえた
その日は一日中、アイツの顔を見れなかった
アイツも今日は静かで
いつもアイツからの攻撃を受けている先生も
不思議そうにアイツを眺めていた
.
放課後
何となく家に帰る気になれなくて
誰もいない教室で、ボーッと部活動で賑わう
グラウンドを眺めていたら
ガラッ...
突然教室のドアが開きアイツが入ってきた
「やっぱり、ここにいましたか...」
そう言って私の目の前まで来たアイツ
「ごめんなさいっ！」
いきなり深々と頭を下げてきた
しばらくすると顔を上げ
躊躇いがちに口を開いた
「Aさん、昨日の事なんですけど・・・」
何となくその先を聞きたくなかった私は
慌ててアイツの言葉を遮った
「いいよ、私から先にしたんだし
気にしないで？てゆーか私の方こそごめんね？」
「Aさんは、どうして...」
そこで途切れたアイツの言葉
きっとアイツも私と同じ
どうして？
考えても答えなんか出てこない
理由なんてない
気付いたらキスしてた、ただそれだけ
しばらく沈黙が続いた後
アイツが静かに口を開いた
「...Aさん
僕と、友達でいてくれますか？」
「・・・・」
そんな、今にも泣きそうな顔で言われたら
断れないじゃん...
「もちろんだよ」
私の返事を聞いたアイツは
心底嬉しそうに笑った
「よかった...
そうだ、これ返しますね」
アイツが鞄から取り出したのは
昨日アイツの家に忘れていった私の教科書
.
家に帰って
宿題をしようとその教科書を開いた私は
「プッ(笑)」
思わず吹き出してしまった
だってそこには
「Aさん、ごめんなさい。
お願いだから友達やめないで」
今にも泣きそうな
ヘタクソなアイツの似顔絵が書かれていたから
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ありか(プロフ) - 何度も何度もここに来てますが、やっぱり相変わらずここのチャンミンが好きです。ホリミヤという映画を観て、アイツに会いたくなって。本当にamiさんは最高ですね！ (2022年1月4日 1時) (
レス) @page41 id: d377e3d345 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - もう何度目かも忘れるくらい読み返しているこのお話。大好きです。ここのチャンミンは、主人公共々、独立した可愛らしいステキなカップルですね。読み返すたびに新しい発見があり、毎回ワクワクして読んでます。 (2020年7月1日 19時) (レス) id: 24fba8a938 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - 沙羅さん» 紗羅さん、こちらこそありがとうございます。そう言って頂けて作者として嬉しい限りです。続きも随時公開していきますね！初々しい二人をどうぞ楽しんで下さい。 (2020年6月25日 12時) (レス) id: ec23a73c19 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ありがとうamiさん！何度、読んでも大好きなお話です。 (2020年6月25日 7時) (レス) id: e4567639fe (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - ゆきさん» ゆきさん、わぁ、三度読み返して下さってるんですね！嬉しいです。顔面管理も嬉しいお言葉！(*^^*)先程下書きが終わりましたので続きを更新できると思います。いつもありがとうございます。 (2017年6月18日 21時) (レス) id: b01a6839fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ami
| 作成日時：2013年4月28日 0時
