【文スト】魔人は二輪の花に歪な想いを込める

褪せてゆく花の色を見るは魔人 ページ4

眠い目をこすりながら単位のために取った講義を聞いている

凛「眠そうだけど…どうしたの？」

『昨日、レポート徹夜で仕上げてたから眠くて…』

私の隣に座って講義を受けているのは幼馴染の凛華こと在原凛華だ

私と同じサークルで、数少ない私の友達で親友といえる子だ

凛「バイトも程々にね、Aのことだからやり過ぎて倒れそうだし」

『そのくらいわかってるよ、凛』

凛「この前バイト先で倒れたから心配なのよ…」

凛華は私とは違って明るくて元気な子だ
私や、妹の事も気にかけてくれている

少しお節介な所はあるけどね

そうやって話している内に、講義は終わった
私と凛華は私達のサークルが使っている研究室へ急いだ

『おはようございます』

凛「おっはよーございまーす‼」

宇「嗚呼おはよう、二人とも」

私達に挨拶してくれたのは宇佐美先輩だ
面倒見が良いと評判の先輩で、何故かは知らないが私のことを気にかけてくれている

佐「朝から仲がいいな、二人とも」

凛「あ、佐川先輩‼おはよーございます‼」

『お、おはようございます、先輩』

私が挨拶した先輩は佐川先輩
明るくて人懐っこい先輩で私が片思いしている人だ

凛「久し振りにに佐川先輩見た気がします」

佐「俺が来てないみたいなこと言うなよ…」

あれ？レポート提出しなくていいのかな？
今日提出日だよね？

『あの、今日ってレポートの提出日ですよね？』

佐「違うぞ、明後日だろ」

『え⁈』

私は携帯のカレンダーアプリを開いて見てみると案の定明後日だった

佐「珍しいな、森園が提出期限間違えるなんて」

宇「いつもとは違うところが見れたね」

凛「しっかりしなよA…」

『あはは…なんかごめんなさい…』

私と先輩は笑いあった
この日から私の人生が大きく狂わされることになるなんて…この時は想像がつかなかった

【〜sideドス君〜】

ボクは拠点にあるモニターを見ていた
そのモニターに映っているのはAさんだ

大学の友人であろう人達と一緒に笑いあっている
何度見ても気分が悪くなる光景だ

Aさんが微笑むのはボクだけでいい、あんな愚かな人達の元にいる必要なんてない

そう思っていると、また癖で指を噛んでいたのか指から血が出ていた

…Aさんの血は汚れた僕の血と違って甘くて綺麗なのだろう
なんて事を考えた

ド「クスッ…もう少しで完成ですね」

僕は口元を空に浮かぶ三日月の様に歪めた

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