#17 ページ17
玲於side
玲於「ここでいっか。」
公園につくと近くのベンチに二人で座る。
玲於「いいよ、話して。」
A「…た…しれない。」
玲於「ん?なに?もっかいいって?」
急に今にも死にそうな声で話し出したA。
A「…また…また…」
玲於「また…なに?」
A「泣くかもしれない…」
なんだよ。そんな事かよ。
まあこいつ、人に泣き顔見せないからな。
俺でさえ今日初めて泣き顔見たし。
玲於「いいよ、好きなだけ泣いて。」
そこからAが全部話してくれた。
玲於「……え。離婚?」
Aはすぐに頷いた。
玲於「え、ちょっと待って。おばさんとおじさんが?え、離婚?」
現実を受け止められなかった。
だって普段はすごく仲のいい二人なのに。
玲於「なんで離婚?」
A「…ほんとは。ほんとはあの二人、仲良くなんか、ない。」
玲於「…え、どゆこと?」
A「玲於の家とか、ほかの近所の人達の前だけ仲良く見せてるだけで、本当は家で喧嘩ばっかりなの。」
俺は黙って聞くことしかできなかった。
A「…それで…前までは喧嘩だけだったから良かったんだけど、お、お父さんが…暴力振るようになって…そこから私にも八つ当たりが増えて…」
Aは泣きながら背中の蹴られた跡が消えないこと、そこから離婚に発展したこと。全部話してくれた。
俺は思わず
Aを抱きしめた。
今日だけ、今日だけ許して。
大丈夫だよ、俺がいるよって何回も繰り返した。
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作者名:ポポポ | 作成日時:2018年1月5日 1時