運命が28つ ページ30
「普通の家族を知らないけどもしあるなら今度はなってみたいかな。
・・・怪盗眠猫、今宵貴方様の運命を盗ませていただきました。」
この言葉はもう、届かない。
涙だって出ない。
血縁者を殺したのに何も感じない私は鬼と同じなのだろう。
「・・・A」
嫌だ。
知られてるはずなのに、知られたくない。
錆兎に、大好きな人に私の汚い部分を知られたくない。
これ以上汚いと知られたくない。
嫌われたくない。
怖い。
次の言葉を待たずに私は耳を塞いでしまった。
耳を塞ぎ音の無い世界で私は叫ぶ。
「私は、冷たい人間だね。
父親を、血縁者を殺したのに何も感じない。
私に償いをする力を与えてくれたのはあの人だった。
あの人がいなかったら私は今此処にいなかった。
けど何も感じない。
やっぱり、私は汚いのかな。
綺麗な錆兎の隣にいる資格なんて...」
そうドクドクと心から血を流しながら言葉を紡ごうとしたとき
塞いだはずの世界から音が再び溢れるのを感じた。
いつの間にか瞑っていた瞳に1番に写ったのは錆兎。
何で錆兎は、哀しそうな顔をしているのだろう。
心なしか綺麗な藤納戸色の瞳に薄い水の膜がはってある気がする。
「そんなこと、言わないでくれ...
誰がそう言った?
誰がAを汚いと言った?
天上天下の全員がそう言ったって、思ったって俺だけは絶対にそう思わない。
だから、だから...
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その他人に向けられる優しさを少しで良いから自分に向けてやってくれ...」ポロポロ
錆兎が、泣いた。
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翠遥奈雪(プロフ) - ニャンコさん» ありがとうございます!!!! (2020年10月25日 15時) (レス) id: 5baed18305 (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコ - あ、続き良かったです!!!!!!!!!! (2020年10月25日 14時) (レス) id: 7d4ce4c580 (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコ - 花………………………………………では…ない。 (2020年10月25日 14時) (レス) id: 7d4ce4c580 (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコ - あー………………………………………おん。。(意味深) (2020年10月25日 14時) (レス) id: 7d4ce4c580 (このIDを非表示/違反報告)
奈雪(プロフ) - CHARAさん» こ、この世には知らなくて良いこともあるんですよ(目逸らし) (2020年9月7日 16時) (レス) id: 5baed18305 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奈雪 | 作成日時:2020年5月18日 9時