紅一点は密かに愛される。に。 (ページ7)

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「なに？」

「サンドイッチ、それなら軽いから食べれるやろ？」

朝作ったそれは、Aちゃん用の朝ご飯。

絶対食べてへんって思ったし、

俺もなんか知らんけどてる兄同様使命感みたいなんが働いて。

「ちゃんと食べな動けへんよ」

手に取ったAちゃんは、

見えへんけど嬉しそうに笑った。

気がした。

「おいひぃ！卵がいい感じ」

「ほんま？よかったわぁ」

Aちゃんが喜んでくれんなら、

早起きも全然苦にならへん。

自分が食いっぱぐれたのも報われたなぁって。

「こうじは？どれが好き？」

「俺ぇ？どれっていうか、」

食べてへんとは言えんくて、

でも食べてへんからどれとも言えんから。

「俺も卵のやつか…んぐ、」

最後まで言い切る前に口へと突っ込まれたサンドイッチ。

食べきったあとにAちゃんを見れば、

ちょっとだけ拗ねた顔してて。

「ちゃんと食べるの」

はいって押しつけるようにまた食べさせてくれるから。

「んまいな、」

「でしょ？」

「Aちゃん作ってへんやん」

「…、こうちゃん、あーん？」

「ごまかさんといて！」

どこぞのバカップルさながらの雰囲気で

現場への道中を楽しんだ。

(細い指先で拭われた口元にどきどきする)
　
　
　