壊れかれる、ないしょのふたり。 ページ34
深夜0時近くに鳴り響くインターホン
なに、めっちゃ怖いんだけど！
モニター覗けば大声で叫ぶAの姿
急いで鍵を開けて中に入れれば
ありがとぉとご機嫌で靴を脱いだ。
「酔ってんの？」
「よってなぁいー」
酔ってるじゃん、べろべろじゃん。
「どした、なんかあった？」
「おふろはいるー」
人の話なんか聞かないで勝手知ったるなんたら。
洗面所で躊躇いもなく服を脱ぎ出したAの手を掴んで。
「風呂はだめ」
「なんでよぉ、おふろはいらないとねれないー」
「酔ってると危ない、
それに俺の家で風呂なんて入ったことないでしょ」
「じゃあいっしょにはいろ？」
いそいそと俺の服に手をかけたAは、
ほら脱いでよ、と乱暴に引っ張って。
脱がせっこしよーってふにゃふにゃ笑いながら
スキンシップも増えていく。
「A、」
「なぁにー」
「いい加減にしろって」
「こわいのやだー」
「っ、ほんとに。だめだって言ってんだろ」
パシンと強めに挟んだほっぺた。
驚いたのかAの目はみるみる赤くなって。
「なんで、…なんでつきはなすの、」
「突き放すって、」
「…て、」
「え？」
「抱いてよ、きすだけじゃなくて、きょうはなんにもかんがえられないくらい抱いて、わすれさせてよ…っ、」
「なに言って、」
「____まで、わたしのこときらいなの、？」
「っざけんな、」
引き寄せた口唇を噛み付くように啄んで、
中に侵入させた舌は歯列をなぞり逃げ惑うそれを絡め取る。
アルコールの匂いとA独特の香りが混ざって、
正常な判断を壊していく。
艶っぽい嬌声に混じる、あまったるい吐息が
聴覚まで犯していった。
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作者名：ぽんこ | 作成日時：2022年11月19日 22時
