涙も時には、誰かを守る。 (ページ3)

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3 平常心ページ3

貴方side

ぼくは今、ジャニーズ事務所のレッスン場のドア前にいる。
ジャニーさんに呼ぶまで待っててと言われた。

というか、そんな冷静に説明している場合じゃない。
ドアの奥から、ぼくの大嫌いな声がすごく沢山聴こえる。

ダメだ。また、震えてきた。
弱くなんな、震えんな、強くなれ。

『入っておいで』
「よし。」ガチャ

《え、女！》《やばくね笑》《ほんとに出来んのかよw》

大嫌いな声が頭に響く。
平常心を保つ為、社長に紹介されている間も、真っ直ぐ前を向いた。
『話せるかい？』
「はい」

「優咲Aです。
趣味は特にないです。嫌いなものは男です。
なので、無理にぼくに話さないでいいです。というか、
話しかけないでください。
お願いします。」

？「は?何であんたなんかに命令されなアカンねん。
言われんくても、誰も話しかけへんわ。アホ」

？「ちょ、流星！」

身体が一瞬ビクついた。アノ時の事を思い出してしまった。
流星って人の大きな体、低く冷たい声、見下した目。
アノ時と重なった。

マズイ、震えてんのがバレる。その時咄嗟に出てきた言葉が、
「近い。どいて下さい。練習したいんで。」これやった。