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5月の半ば。ゴールデンウィークも終わり、風が少しずつ暑くなりつつある日曜日。
「やっほー。」
「あ、先輩。こんにちはー。」
こんにちはー。と私に続くように声が響く。
私は女子バレー部に所属していて、一応、主将だ。三年生が一人しかいないから仕方なくなのだが。
現在練習中。
また、今日は、長濱高校に通うOGの先輩が来る日だった。
私はこの先輩と仲が良かった。
「にしても、先輩、どうしたんですか？急に。見学しに行ってもいいかなんて。」
「ごめんごめん！そりゃまぁ、可愛い後輩たちの様子を見に来たかったわけよ。一年生ちゃんたちも見にきたかったしね。」
へぇ。私は相槌を打つ。
すると先輩は、それに、と言い、
「実はAに頼みたいことがあってさ。」
と先程の話に付け加えた。
私は、名指しでご指名が来てびっくりする。
「私…ですか？」
私が聞くと、先輩は頷き、そう。と言った。
「国見って、男子バレーにいたの知ってる？」
国見と言われてびっくりした。
国見先輩、バレー部だったのか…。
私は今の今まで国見先輩のことを忘れていた。
そういえば、国見先輩とは去年美化委員会で一緒だったらしい。
あの授業の後、友達に聞いたら教えてくれた。無気力イケメンなんだよーとも言っていた。
「いえ、存在は知ってましたけど、バレー部というのは初めて知りました。」
先輩は、そうなの？と言い、
「実はね…。頼みたいのはその国見のことでさー。
私、この間、中学のときのもの整理してたらそいつの持ってた、お守り出てきてさー。
いつ混ざったんだーって感じなんだけどさ。
で、それをそいつのところに返して欲しいのよ。」
先輩はそう捲し立てた。
「…なんで、私に頼むんですか？」
思ったことを率直に言う。
先輩は気まずそうに、目を逸らし、
「あいつ、青城に行ったんだけどね。私の青城に行った知り合いに国見と話せる人居なかったの。もう頼めるのは、Aしかいないの！」
先輩は、お願い！と言い、顔の前で手を合わせた。
「…先輩が持っていけば良いじゃないですか。」
「無理無理！
だって私、あいつのこと好きじゃないもん。
なんか、気取ってる感じがしてさ。」
先輩のこういう自分勝手なところは玉に瑕だと思う…。
結局、色々言いたいことはあったけど、引き受けることになった。
そのかわり、アイス奢ってもらったからいいか。
…アイスで動く私。もしかしてちょろい？
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せみ｡(プロフ) - たまごちゃんさん» 読んでくださりありがとうございます！これからもがんばります！ (2020年11月5日 13時) (
レス) id: 4768360623 (このIDを非表示/違反報告)
たまごちゃん - 国見くんの日常っぽい！オムニバス(?)楽しみにしてます(*≧∀≦*) (2020年11月4日 20時) (レス) id: 901e8bcfe8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せみ｡ | 作成日時：2020年11月3日 0時
