�� ページ11
「レシート入りますか？」
時期的に言えば夏休み。今日もバイト中。
外では陽炎が揺らいでいる。
昨日切ったばかりの短い髪の毛先を触っていたら、声をかけられた。
「なぁ、A。」
私に声をかけたのは、大学の先輩の仲田弘樹だ。
私は現在女バレのサークルに所属している。仲田先輩は男バレのサークル。その繋がりで知り合った。
ちなみに、バイト先では私の方が先輩。
なんとなく、こそばゆい。
「どうしたんですか。仲田先輩。」
「いや、まあ、なんか、呼んでみただけ。」
「…なんなんですか。一体。」
ほんとに、なんだったのやら。
そのとき、お馴染みの入店音が鳴った。
国見くんだった。嬉しくて顔がほころぶ。
「いらっしゃいませ！」と言うと、国見くんは会釈を返してくれた。
会釈してくれたのは初めてで、うれしくて、もっと顔が緩む。
その顔を横にいる仲田先輩に見られてるのかと思うと、恥ずかしいように思ったが、そんなこと小さいことに感じる。
今度は手振ってみちゃおうかなーなんて…考えたり？
えへへ。
「なぁ、A。」
「何ですか？」
また、仲田先輩が私に声をかけた。また呼んでみただけとか言ってきたら、さすがに怒る。
そう思い、仲田先輩の方を見ると、仲田先輩の方が顔をしかめていた。
なに？私は何もしてないよ？
「…その髪よく似合ってんぞ。」
「…え？」
まさかだけど、さっき、それ言おうとしてたの？
まあ、自分でも可愛くなったと思うけど…。
「ありがとうございます？」
仲田先輩にそんなこと言われると思ってなかったから、語尾が疑問系になってしまった。
国見くんも可愛くなってるって思ってくれてたらいいなぁ。
そんなことを考えながら、レジカウンターから店内を見る。
国見くんはいなかった。
あれ？何も買わずに帰っちゃったのか。
財布でもわすれて来たのかな…。
そういえば、国見くん。最近コーヒー買わなくなったな。
何かあったのかな？
そのあと、バイト終わりに仲田先輩とパピコを半分にして食べたけど、
国見くんのことが気になって、味は覚えていない。
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せみ｡(プロフ) - たまごちゃんさん» 読んでくださりありがとうございます！これからもがんばります！ (2020年11月5日 13時) (
レス) id: 4768360623 (このIDを非表示/違反報告)
たまごちゃん - 国見くんの日常っぽい！オムニバス(?)楽しみにしてます(*≧∀≦*) (2020年11月4日 20時) (レス) id: 901e8bcfe8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せみ｡ | 作成日時：2020年11月3日 0時
