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グラサンが49 ページ9

与謝野視点


Aと電車を待っていたら駅を包む程の大きな聞き慣れた音がした。

『うぅ、耳痛い』
咄嗟に両手で耳を塞いだAは眉間に皺を寄せている。

キョロキョロと周りを見渡して
「音の鳴った場所に行かないといけないみたいだねぇ」
と困ったようにAに言った。

時計を見てみる。電車が来るまで暫く時間がありそうだ。
耳を塞いでいたAにさっきの台詞が聞こえているかわからないが置いて行ってもイイかと思い先に歩き出す。

するとAは小走りで着いてきて笑顔で言った。
『音が大きすぎて何処から鳴ったのかわかりませんでした!』
どうやらさっきの台詞は聞こえていたみたいだ。



__

音の発生源を目指して歩いていたら足音以外何も聞こえない静かな場所に出た。
Aは顎に親指をあてながら
『うーんさっきの音って国木田の音響手榴弾の音ですよね。どうしたんだろ』
口元はかすかに笑っていて心配しているのかこの状況を楽しんでいるのかよく分からない

「サァね。国木田に会えばわかるンじゃないかい?」
そんな当たり前の事を返答してフと脚を止める。
さっきと同様、何かを考えながら後ろを歩いていたAは『ウッ』という声を出して妾の背中にぶつかった。

Aはどうしたんだと言わんばかりの顔で妾の目線の先の物を追いかけた。

国木田が少女を覆い被さるようにして抱きしめている。道中の線路には見慣れない物が沢山あった。嗚呼、そう言うことか。
派手な音をたてて国木田と少女が煙に包まれる。
妾は煙を掻き分け、異能を使う。
Aの方を見ると『武装探偵社カッケー』と武装探偵社員であるAが言っていた。

煙が晴れ、犯人であろう男の視界も妾達の視界も晴れる。
煙の中に立っている国木田と少女を見て犯人は目を見開いた。
「無傷?!莫迦な…!」
「もう少し調べるべきだったな。探偵社では重傷は無傷と同じだ」

犯人の後ろからは武装した黒ずくめの男達。彼の肩を掴み手錠をかけた。
本当に、爆発までに間に合って良かったよ。


__
このまま黒ずくめに処理を任せ、妾達は事情聴取の為に一度地上へ向かう。
少女は国木田に話しかけた。
「理想莫迦のあんたじゃどうせカノジョもおらへんやろ?」
図星だ。見えない矢が国木田に刺さり思わず笑いが漏れそうになる。
少女は髪を耳にかけ続けた「その…どうしても言うんやったらウチが…」
こんな可愛い少女に好まれるだなんて国木田も幸せだネェ。今度は口角が緩む

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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三原色 - 。さん» なななんと!ありがとうございます!これからも何となくで頑張って参りますので何卒…生暖かい目でよろしくお願い致します! (7月1日 17時) (レス) @page10 id: 3ea33a02c4 (このIDを非表示/違反報告)
- とっても面白いですね!応援してます (7月1日 11時) (レス) @page10 id: 26c600857a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三原色 | 作成日時:2023年5月31日 21時

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