グラサンが37 ページ44
NO視点
Aは木の幹にQをもたれ掛からせるようにして降ろすと、しゃがんで視線を合わせた。
Qは今迄のことを思い出し、目から大粒の涙を流している。
「僕はこんな異能○%×$☆♭#▲！」
『え、なんて？』
声が怒りや悲しみで震えてAには聞き取れなかったようだがそんなことも気にせずQは泣きながら何かを訴え続ける。
暫くAはそんなQをじっと見ていた。
Aはこの様な子供を見たことがあった。しかしAはもうその子供に何もしてやることは出来ない。
その子供は路地裏のまだ人の目が届きやすいような所にしゃがんでいた。その子供の涙はいくら拭っても地面に落ちてシミを作る。
何故泣いていたのかはわからない。何かとても大事な事だったのかもしれないし、本当はそこまで泣くような事じゃなかったのかもしれない。
その子供は目の前を通る大人に何かをずっと訴えていた。大人はサッと目を逸らし何事もなかったかのように通り過ぎて行く。
ずっとその子供は泣いていた。もう太陽が傾いてきた頃、背広を着た紳士風な男性が目の前で止まり視線を合わせた。
「少年、君は何故泣いているんだ？」
子供は顔を上げずに答えた
「誰も僕の事を判ろうとしてくれない。皆んな僕の事を可笑しいって言うんだ。」
「どうして？」
「そんなの僕が知りたいよ！」
また子供はわっと泣き出した。背広の男性はその子供の事を理解したように、内ポケットから紙を出した。
「君にはきっと何か力がある。そうだろう？なら人を助けなさい。心に余裕ができた時、この紙に書いてある場所を尋ねるんだ。いいね？」
そして男性は子供に紙を握らせ立ち上がった。
「おじさん、名前は？」
「儂か？儂の名前は_______。」
Aは思い出した。あの時泣いていた子供は自分だと。自分は14の時にあの時貰った紙を頼りにして武装探偵社に訪れた。
あの時のおじさまの名前は何で言ったか…。うーんと唸って考えても名前は出てこない。
Aは考えるのを諦め、もう一度Qに視線を移した。今は先程とは違いQは大きな目を伏せ、声を抑えて泣いている。涙がポロポロと頬を伝って落ちていく。
Aは今の沈黙を破るために『はぁー』と大きなため息をついた。Qは肩をぴくりと跳ねさせ、怯えた目でAを見つめる。
AはQを怖がらせないように出来るだけ優しく語りかけた。
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三原色 - あぁあ！@眠る猫 さん誤字報告ありがとうございますうぅ！お返事遅くなってしまい申し訳ありません。エリスちゃんの名前間違えるとか森さんに殺られる…アノ、私の返信の仕方絶対間違えてると思うのですがお手柔らかに…これからもこの小説を宜しくお願いします💪 (2023年2月20日 20時) (
レス) id: 13a7bfbe40 (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - 22話のエリスちゃんの名前がアリスちゃんになっています,,,あ、な、なんか私なんかがすいません!!楽しんで読ませてもらってます!! (2023年2月16日 19時) (レス) @page27 id: cd1a79a794 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三原色 | 作成日時：2022年12月4日 17時
