【d】pure Liebe 【ra運営】 (ページ10)

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『……ｯ…はぁっ……はぁっ…………くそっ…！！』

とうとう体力が底を尽き、先程まで動かしていた足を止め、モンスターの群れに向き直す。

走りながら適当に打ち続けてた闇球によって偶然モンスターを何体か倒していた為か、魔力も幾分か増えてる気がする。

おそらくこの感覚がゲームでいう所の「レベルアップ」というものだろう。

だが、この世界にゲームウィンドウなどという便利なものは存在しない。

全て"何となく"でレベルアップ等を感じ取らなければならない事に気付き、少々の面倒さを感じながらも、自分の手を前に突き出した。

『１回1回魔力を注ぎ直すのは少々効率が落ちる…………手から直接出すと数が増やせない…………』

何か魔力を注ぎ込むための回路的な何かは無いのか………。

ふとスライムの方を見た。

スライムは此方にみずでっぽうのような技を出してきた。

すかさず地面を蹴って避けるが、俺はスライムの繰り出す魔法に注目した。

スライムの前に"何かの模様"が浮かび上がり、そこから水が飛び出たのだ。

……………成程、前世のなろう系で見たことあるぞ。

『ズバリ魔法陣！！！！！！』

エーミールが言ってたゾ！！！！！！「フフフwww魔法は何事も想像が大事なんですよwwwなんせ私は文明人ですからねwwwフフン！」って！！

バックグラウンドに小学生名探偵が謎を解いた時のBGMが流れた。

1時間位は森に迷い、俺の頭はとっくに疲れ果てているが、俺の中のイマジナリーエーミールが想像しろと言っていたので頑張って頭をフル回転する。

頭に魔法陣のようなものを想像した状態で手のひらから魔力を流し続ける。

闇球を繰り出した時よりも多い魔力を使うし、手のひらがだんだん熱くなっていくが、そんなもの気にしてられない。

手のひらから糸みたいなものが円を描き、円の中に複雑な模様が器用に出来ていく。

1つ、2つ、3つ、4つ………

自分を囲むように出来た魔法陣を見て飛び跳ねるほど嬉しそうになりながらも、冷静に、今度は攻撃魔法を魔法陣から出すように想像していく。

『…ｯはぁ……ｯはぁ…………闇球(ダークボール)…！！』

ﾎﾟﾎﾟﾎﾟﾎﾟﾝと明るい音を出しながら4つの魔法陣からピンポン玉よりは大きくなった玉を自身を取り囲むモンスターに放った。