【d】pure Liebe 【ra運営】 (ページ47)

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「お前はマルムだけやなくて俺らにも迷惑かけるんか！！！おいちゃんと聞いとるんか！？！？」

「もう二度とタチの悪い冗談止めてね！！………シュルケさん？」

先程まで煩そうに顔を顰めていたAが、急に不思議そうな顔へと変わる。

『？』

ただシャオロンの方へ向いて不思議そうな顔を浮かべるAに、レウクラウドは違和感を覚えた。

「…！？シュルケさん！！！耳から血が出てる！！」

よく目をこらすと、耳から血がたらりたらりと流れてきている。

その血の量は凄く僅かな量で、本当に目を凝らさない限り見えない。

「………………耳から血？…なぁ先生、嘘やんな？？」

先程まで顔を真っ赤にして彼を捲し立てていたシャオロンも、事の重要さに気付いたのか、顔を真っ青にして先生に尋ねる。

耳から血を流している当の本人は、呑気に耳から流れる血を手で拭い、何事も無かったかのように歩き出そうとした。

「ちょっ！ちょちょっ待って！！トイフェルさん、ちょっとシュルケさんのこと頼める！？」

「…ｯわ、分かりました！！」

「俺保健室に行って先生呼んでくるから！！！」

そう言うと、レウクラウドはその場に持っていた教科書を雑に投げ捨て、急いで逆方向へ走っていった。

シャオロンは持っていた教科書を慌てて下に置き、今までずっと目の敵にして怒っていた相手ということを忘れて、何処にも行かないように腕を掴んだ。

Aはというと、呑気に頭にハテナを浮かべ、ただレウクラウドの背中をじっと見つめているだけだった。

1人の生徒と1人の教師が先程まで散々喚いていたので、廊下には沢山の人だかりが出来ていた。

「ヤベェ」だの「やっぱり呪われてるんだ」だの好き勝手言いまくるガヤにイラついたのか、シャオロンは上級生関係なしに「うっさいねん！！少しは黙ることも出来んのか！！！」と怒鳴りつけていた。

全てキレイに自分に帰ってくることも、彼は気付いていなかった。