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『…ふぅ…………これで丁度…』
卵を寮生と寮母さんの分、丁度をカゴの中に入れ終わり、一息つく。
1つの学生寮には100を超える生徒が住んでいて、それはうちの寮も例外ではない。
百数十個の卵をカゴに入れた状態で、魔法で浮遊させて持っていく。
生憎俺は筋肉がそんなについてないからこの量を寮まで持っていくことは出来ない。
量を寮まで………………ｳﾜ最悪…。
「………A……さん…？」
『……ｯ！？』
「Aさん！？探したんですよｯ！？今までどこに居たんですかｯ！！！もう………もう嫌われたのかと……もう会えないのかと思いました………！！！」
カゴを投げ捨てて、こっちへ駆け寄ってくる。
『………先輩、やめて下さい。』
「先輩だなんてｯ！！！そんな回りくどい呼び方しないで下さいよｯ！！私達は………………ｯ友達……でしょう…？……ねぇ、そうですよね…？」
『…寮母さんが待っていますのでこれで。』
「ｯねぇっ！！！Aさんｯ！！！！！」
涙がボロボロとこぼれている。
綺麗な瞳はとても歪んでいて、とても白い肌が赤く染まっている。
いやだ、関わらないでくれ。
俺といると貴方の評判が下がってしまう。
貴方はこんなにも魅力的なのに俺といるとそれが全て台無しになってしまう。
『………ウツくんにも伝えといて下さい。』
『……今まで迷惑かけてごめん、って。』
俺は急いで小屋を後にした。
"エーミール"先輩は、1人、崩れ落ちた。
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作者名：ぽむ | 作成日時：2024年3月7日 6時
