【d】pure Liebe 【ra運営】 (ページ34)

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「…次、シュルケさん」

『ｯはい。』

呑気に攻略対象のことを考えてる暇なんてない。

クライン・ロボロから割とすぐに自分の順番が来た。

一気にザワザワとしだす生徒達。

…………嗚呼、鬱陶しい。

『……シュルケ・A…です。…どうぞ、よろしく。』

どうせよろしくして貰う人は来ないだろうが。

他が自己紹介していた時よりも多くの視線が自分に刺さる。

本当に、どうして黒髪黒目はこうも目立ってしまうのか。

この教室全体を闇に覆ってしまいたい、と思いながらもそそくさと椅子に座った。

嬉しいことに今日座った席の隣は中庭が見える窓だ。

俺はまだ感じる視線から背を向けるように、じっと窓の外を見続けた。

「次、＿＿＿＿＿さん。」

「……はぁい。＿＿＿」

永遠と時間だけが過ぎていく。

仲良くするつもりもない人達の自己紹介なんかでこんなにも時間が潰れてしまうなんて、なんて非効率なんだろう。

早く、寮へ戻りたい。

寮母さんの手伝い、今日は出来るかな。

今日の夜ご飯、なにかな。

他の生徒は今日から寮入りだから、もう寮母さんと一緒にご飯、食べられそうにないな。

………寮母さn「お前ら耳かっぽじってよく聞くんやな！！！」

「俺は学校一の人気者になるトイフェル・シャオロンや！！サインが欲しいんなら今のうちやで！！」

………耳が壊れるかと思った。

一周まわって憎たらしい程の笑みを浮かべ、机に足を置いて注目を浴びる男。

トイフェル・シャオロン。

コイツも確か、攻略対象だったか。

コイツは他の対象よりも情報や画像が流れてこなかったイメージだ。

……学校一の人気者になる予定でも、ゲームキャラの人気者にはなれませんでしたか………可哀想に笑。