【d】pure Liebe 【ra運営】 (ページ31)

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ゆらゆらと揺れるカーテン、新品の椅子、新品の机。

思ったよりも広い一室。

意外にもすんなりと父は寮生活の件を了承してくれた。

執事さんが引いてくれる馬車でしばらく揺られたあと、寮入りを果たした。

急な寮入りにも関わらず、複雑な手続きが要らない事を不審に思ったが、寮母さん曰く、「侯爵様が今日急に連絡してきて寮の手続きを済ませた」らしい。

昨日の罪滅ぼしのつもりだろうか。

寮母さんも、父の計らいで急遽この寮に移動になったらしい。

彼にとっては俺の為にやってくれたんだろうけど、寮母さん達からすると迷惑極まりない。

罪滅ぼしなら周りに迷惑かけない程度にやって欲しかったと思いながら、父の粋な計らいにとりあえず感謝しておく。

「おばちゃんね、今日から1人でここに済むと思ってたからアナタが来てくれて嬉しいわ！今日の夜ご飯、おばちゃん腕によりをかけてご馳走作っちゃうから一緒に食べましょうね！！」

『……ありがとうございます。』

寮母さんも、何故か俺の容姿を見ても何とも思わないらしく、すごく丁寧に接してくれる。

………つまらないと思っていた学校生活が少し楽しみになった。

入学式が始まるまでの残り数日の寮生活、思ったよりもあっという間に過ぎそうだ、なんて。

………ここが家だったらいいのに。

ちなみに晩御飯の"からあげ"は死ぬ程美味しかった。

………この世界にもからあげが存在するんだな、とちょっと嬉しくなった。

寮母さんの料理に胃をガッツリ掴まれてしまった、マズイ。