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「………今、なんと、?」









『少し早めに寮へ入って慣れておこうと思います。馬車を出してくれませんか。』








「A様も、入学式当日に寮入りすると、それまで屋敷に泊まる、それで良いと納得したのでは……第一侯爵様が許すハズがないですよ!」









『………メイドから嫌われていたのは知っていました。ただ、あんなに嫌われているとは思ってなかった、それだけです。』







正直に「毒を盛られていた」だなんて言うと、この人が共犯だった時にこの場で面倒臭い事が起こるかもしれない。







自分は毒の件を避けつつ、この場には居たくないから寮へ行かせるよう訴えた。








「ッメイドが何か粗相をしましたか……?誰がやったかは覚えていますか?今すぐ謝罪へ向かわせましょう。」






『要らないです。貴方はただ、侯爵様に馬車を出す許可を取ってくれれば良いんです。』









「…………少々お待ち下さい。」






『…ごめんなさい、最後までわがままで。』







執事さんを待っている間、俺は玄関に繋がる広間の端っこに丸まって座った。







……嗚呼、エーミールの紅茶が飲みたい。









ウツくん、もうあんな女たらしになっちゃったのかな。












決して叶えられない約束を、あの二人はまだ覚えてくれてるのかな。










………あの二人に会いたいな。








それももう、叶わないだろうけど。

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作者名:ぽむ | 作成日時:2024年3月7日 6時

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