【d】pure Liebe 【ra運営】 (ページ23)

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『………よし、きっちり30分。』

俺はモンスターの死体がゴロゴロ転がるフロアを後にし、次のフロアへ向かった。

俺は、30分あればダンジョンの1フロア攻略出来るまで成長した。

図書室での勉強を始めて10日、シュルケ・Aはどうやら頭が良いらしい。

知識の吸収がスポンジのように早く、参考書と同じような役割を果たしている「魔法基礎学」の本はいつの間にか「魔法禁忌書」に進化していた。

魔法禁忌書に移行してからは流石の難易度に筆の進むスピードは落ちてきているが、代わりに良い実践場を見つけてしまった。

勉強が何も頭に入ってこなくなってきた為、気分転換に屋敷の周りを散歩していると、屋敷の後ろに大きい森が見えた。

その森からやたらと目が離せず、入ってみたい、という好奇心が頭を支配してしまった。

無意識に動く足、何故か目が森の奥から外せない、とても森の奥が魅力的に思えてしまう。

ずっと歩いていると、とても禍々しい雰囲気を帯びた洞窟が姿を現した。

俺は知っている、これこそが魔法基礎学の本に載っていた、ダンジョンと言うやつだ。

成程、何故森の奥が魅力的に感じたのか理解出来た気がする。

ダンジョン内に生息するモンスターの闇属性の魔力やダンジョン特有の「負の魔力」自身の持つ闇属性の魔力に共鳴したのだ。

自身が無意識に、このダンジョンの魔力に支配されてしまったという事実にイラつきながらも、ここを攻略する事で自身が大幅に成長出来るのでは無いか、という嬉しさがあった。

それから毎日のようにダンジョンに通い続けた。

1人で大量のモンスターを処理するのはとても大変だが、レベルアップを繰り返すうちに簡単にモンスターを倒せるようになった。

実践を重ねるにつれ、魔法の応用や、禁忌魔法の難しさを再確認した。

100を知ってもそのまま100を再現する事は難しい。

禁忌魔法なんてする訳ないが、魔法禁忌書の内容が理解出来ないのも頷ける気がした。