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初めて貴方と出会った時、貴方の綺麗な顔は鼻水や涙なんかでぐしょぐしょだった。









自分は、現在地が図書館だった事を忘れ、慌てて貴方の元へ駆け寄った。







よく見ると足や腕等に擦り傷があり、頬や腕には打撲傷があった。







私は貴方を椅子へ座らせ、自身は図書館内に内緒で作った自室に向かい、急いで救急箱を取り出した。







手当てをしている最中、傷口に消毒液が滲みて痛いだろうに、貴方は下唇を静かに噛みながら、ジッと堪えてましたね。








頻繁に社交界へ出たがらない私でも貴方の事は知っていました。







貴方はきっと、私よりも酷い差別を受けていた筈でしたから。






なんて強い子なのだと、なんて可哀想な子なのだと。







中々使わない銀を使ったティーセットを取り出し、貴方に紅茶を出しました。






当時、お茶を淹れる事自体が慣れなくて、そこまで美味しくなかっただろうに、貴方は涙を流しながら「美味しい美味しい」と褒めて下さいましたよね。






あれ、本当に嬉しかったんです。






今覚えば、貴方のあの言葉をきっかけにお茶の淹れ方を練習し、貴方の好みのお菓子を用意したり、そのお菓子に合うような茶葉を用意してみたり…。







やがて毎週金曜日に貴方は遊びに来てくれるようになり、貴方の中で1番仲良いと言っていい程の関係になれたと胸を張って言えるようになりました。







周りから批判されるこの使い道の無い魔法も、貴方の為ならば幾らでも使えます。







貴方の為ならば、魔力が尽きようと、幾らでも調べます。








貴方が凄く期待してくれるから、私も喜んで博識なフリをします。







貴方が居てくれれば、私はどんなに差別されるこの容姿でも、何処までも行けそうなんです。








それ程にまで、貴方に狂わされてるんです。

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作者名:ぽむ | 作成日時:2024年3月7日 6時

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